症状から腰痛の原因を探る - 「関節の痛み、黄疸、高血圧など」

その他の様々な症状が見られる病気・障害
腰痛を引き起こす病気や障害の中には、以下のような体の異常や不快感も伴うものがあります。自分の症例に当てはまるものを探して原因を探ってみましょう。
※文中の「病名」を選択すると、詳しい解説ページに移動します。
現れる症状や程度には個人差がありますので、あくまで参考とするに留めてください。
<目 次>
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1.黄疸(おうだん)
※黄疸とは、眼の白目部分や皮膚が黄色っぽくくすんだり、尿が濃い茶色に変化する病状です。
◆肝硬変(かんこうへん)
肝臓に炎症が起きた部分の細胞が壊れて硬くなり肝臓の機能が低下した状態
【主な症状・特徴】
- お腹が大きく膨らむ(腹水) ・黄疸
- 下半身の"むくみ"や"けいれん"
- 肝臓の炎症(肝炎)が長期間続いて肝硬変へ進行するケースが多い。肝硬変になるまで20〜30年かかるため高齢者に多くみられる。肝炎はC型肝炎ウイルスの感染や過度の飲酒などで起こる
◆肝臓がん
肝臓に発生する悪性腫瘍
【主な症状・特徴】
- お腹の右上の痛みやしこり
- 背中や腰の右側の痛み
- お腹が大きく膨らむ(腹水) ・黄疸
- 肝炎(肝臓の炎症)の長期化→肝硬変→肝臓がんと症状が悪化して発症する「原発性肝がん」と、他の臓器にできたがんが転移した「転位線肝がん」がある。
◆膵炎(すいえん)
膵臓から分泌される消化酵素によって膵臓自体が消化されて炎症を起こす病気
【主な症状・特徴】
- みぞおちから左わき腹にかけての急な激痛。左肩や左背中まで響くことが多く、時には胸や腰にまで及ぶ。
痛みは食事をすると強まり、絶食すると軽くなる。また前かがみになると和らぐ傾向がある
- お腹の張りやしこり、発熱、胸焼け、吐き気、下痢、黄疸など
- アルコールや胆石が原因のものが全体の約2/3を占める。体調が悪い時のお酒や脂肪の多い食事のとりすぎがきっかけで起こる
◆膵臓(すいぞう)がん
膵臓にできる悪性腫瘍
【主な症状・特徴】
- みぞおちから左わき腹にかけての痛み
- 高齢者ほど多く発症する
- 背中や腰の痛み、吐き気・嘔吐、下痢・便秘、黄疸
- 詳しい原因は不明。飲酒・喫煙の習慣、肉(脂肪)の食べ過ぎ、慢性膵炎、胆石症、糖尿病などが危険因子と考えられる
◆胆嚢炎(たんのうえん)
胆嚢が細菌に感染して炎症を起こした状態
【主な症状・特徴】
- 食事後の"みぞおち"から右わき腹にかけての急な激痛。痛みは右肩や右背中まで響くことが多く、時には胸や腰にまで及ぶ
- 38℃以上の高熱、寒気、吐き気、嘔吐
- 主に胆嚢内に石(胆石)ができて細菌が増殖して起こる。石は、食べ過ぎ、脂肪の摂り過ぎ、肥満、ストレス、不摂生、体質などが原因でできることが多い
◆胆石症(たんせきしょう)
胆のうや胆管内に石(胆石)ができる病気
【主な症状・特徴】
- 食事後の"みぞおち"から右わき腹にかけての急な激痛。痛みは右肩や右背中まで響くことが多く、時には胸や腰にまで及ぶ
- お腹の張り、発熱、吐き気、疲れやだるさ、黄疸、白い便など
- 食べ過ぎ、脂肪の摂り過ぎ、肥満、ストレス、不摂生、体質などが原因でできる事が多い
2.腰以外の関節の痛み、関節の動きが悪い
◆変形性股関節症
股関節の骨や軟骨がすり減ったり変形したりして痛みを引き起こす病気
【主な症状・特徴】
- 股関節、腰、お尻、太もも、ひざなどの痛みや違和感。ひどくなると安静時でも痛む
- 股関節の動きが悪く、曲げ伸ばししづらい。痛みで足を引きって歩く
- 30歳代後半〜50歳代の中年層に多い(特に女性)
- 股関節の病気やケガ。若い頃に股関節の異常や病気を経験し、大人になってから後遺症として発症するケースが多い
◆強直性脊椎炎
背骨や骨盤の関節組織が何らかの原因で骨に変わり、骨同士がくっついてしまう病気
【主な症状・特徴】
- 腰や背中が重たく感じたり、固くこわばって動かしにくい。または筋肉痛のような痛みがある
- 症例の少ない珍しい病気。患者の大半が10〜20代の若者
- 詳しい原因は不明。遺伝的な要因があると考えられている
◆リウマチ性多発筋痛症
ウイルスや細菌などの外敵から体を守る"免疫システム"に異常が発生する病気「膠原病」の一種
【主な症状・特徴・原因】
- 首から肩、あるいは腰などに強い痛みと"こわばり"がある
- 関節の痛み、全身のだるさ、体重減少、食欲低下、微熱など
- ほとんどは50代〜60代以上の高齢者に発症する原因不明の病気
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3.貧血や吐血
◆胃潰瘍(いかいよう)・十二指腸潰瘍
胃や十二指腸の粘膜が溶けてえぐられたような状態(潰瘍)になる病気
【主な症状・特徴】
- 空腹時や食後の腹痛(食事中は痛みが軽くなる)
- 背中から腰にかけての痛み(体の左側が傷みやすい)
- 胸焼け、ゲップ、吐き気や嘔吐、食欲不振、貧血、吐血、黒い便
- ピロリ菌感染によるものが多い。精神的ストレス、胃液の過剰分泌、ステロイド剤や抗がん剤などの薬物も要因
◆胃がん
胃に発生する悪性腫瘍
【主な症状・特徴】
- 空腹時や食後の腹痛(みぞおちあたりが鈍く痛む)。悪化すると食事に関係なく痛む
- お腹の張り、胃もたれ、胸焼け、ゲップ、吐き気
- 50〜60歳代が患者の約60%を占め、高齢者ほど発症しやすい。
- 胸、背中、腰の痛み
- 食欲不振、だるさ、下痢、便秘、貧血、吐血、黒い便など
- 不規則な食生活、早食い、食べ過ぎ、「塩分や脂肪分・熱すぎる飲食物・米飯等」の摂り過ぎ、焦げた食物、過度の飲酒・喫煙などが危険因子とされる
◆月経痛(生理痛)・月経困難症・月経前症候群
月経時に起こる様々な不快症状
【主な症状・特徴】
- 頭痛、腹痛(胃痛)、腰痛、肩こり、乳房の張りと痛み
- むくみ、冷え、めまい、のぼせ、貧血、吐き気、嘔吐、便秘、下痢
- イライラ、憂うつ、焦燥感、怒りっぽい、集中力の低下(注意力散慢)、情緒不安定
- 月経(生理)が始まって女性ホルモンの分泌が増えたりホルモンバランスが変化するため。更に疲れやストレスが重なると症状が悪化する
◆子宮筋腫・子宮ポリープ
子宮内部にできる良性の腫瘍
【主な症状・特徴】
- 生理期間外の性器からの出血(不正出血)
- 生理時の出血量が異常に多い(過多月経)
- 貧血 ・おりものが増える
- 30〜40歳代の女性に多い
- 詳しい原因は不明。女性ホルモン「エストロゲン」が関係しているとみられる
◆子宮内膜症
子宮の内側にできる膜「子宮内膜」が、子宮以外の場所にもできる病気
【主な症状・特徴】
- とても強い月経痛(生理痛)、激しい腹痛と腰痛
- 30〜40歳代の女性に多くみられる
- 月経時の出血が増える(過多月経)、月経期間が長くなる、茶色のおりものが出る、性交時や排尿・排便時の痛み、尿が出にくい、便秘
- 詳しい原因は不明。月経時に子宮内膜の組織が混じった血が逆流するためと考えられる
◆子宮がん(子宮頸がん・子宮体がん)
子宮にできる悪性腫瘍(がん)
【主な症状・特徴】
- 月経期間外の性器からの出血(不正出血)
- おりものの異常(量が増える、臭う、血が混じるなど)
- セックス中の性器からの出血 ・貧血
- 子宮頸がんはウイルス感染によるものが多く、子宮体がんは女性ホルモン「エストロゲン」が長期間分泌されると発症しやすい
4.高血圧
◆腹部大動脈瘤
腹部の大動脈の一部がふくらんで瘤(こぶ)のようになる病気
【主な症状・特徴】
- 腰から背中にかけての痛み
- 50〜60歳前後の中高年の男性に多い
- 腹痛や腹部のしこり、咳(せき)、息切れ、しわがれ声、物が飲みにくい、顔がむくむ
- 大半は動脈硬化が元で起こる。動脈硬化の主な原因は、高いコレステロール値や中性脂肪値、糖尿病、高血圧、高脂血症、運動不足、ストレス、肥満、喫煙、加齢など
◆腎梗塞(じんこうそく)
腎臓の動脈がふさがって血液が流れなくなり、腎臓の一部または全部が壊死してしまう病気
【主な症状・特徴】
- 腰から背中にかけての痛み
- 血尿が出たり、尿の量が減る
- 激しい腹痛、吐き気・嘔吐、寒け、発熱、高血圧
- 心臓の病気や不整脈によってできた血栓(血の塊)が腎動脈につまる。動脈硬化も危険因子
◆単純性腎嚢胞
腎臓に1個〜数個の嚢胞(のうほう)と呼ばれる液体の入った袋ができる病気
【主な症状・特徴・原因】
- 腰やわき腹の痛み、高血圧、血尿
- 歳をとるほどできやすくなり、50歳以上の約半数に見られる
- 嚢胞ができる原因は不明
5.性交(セックス)時の性器の痛みや出血
◆子宮内膜症
子宮の内側にできる膜「子宮内膜」が、子宮以外の場所にもできる病気
【主な症状・特徴】
- とても強い月経痛(生理痛)、激しい腹痛と腰痛
- 30〜40歳代の女性に多くみられる
- 月経時の出血が増える(過多月経)、月経期間が長くなる、茶色のおりものが出る、性交時や排尿・排便時の痛み、尿が出にくい、便秘
- 詳しい原因は不明。月経時に子宮内膜の組織が混じった血が逆流するためと考えられる
◆子宮がん(子宮頸がん・子宮体がん)
子宮にできる悪性腫瘍(がん)
【主な症状・特徴】
- 月経期間外の性器からの出血(不正出血)
- おりものの異常(量が増える、臭う、血が混じるなど)
- セックス中の性器からの出血 ・貧血
- 子宮頸がんはウイルス感染によるものが多く、子宮体がんは女性ホルモン「エストロゲン」が長期間分泌されると発症しやすい
関連項目
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