リウマチ性多発筋痛症で腰が痛むケース

『リウマチ性多発筋痛症』の詳細 - 症状・原因・治療法
腰痛を引き起こす可能性のある病気や障害の一つに「リウマチ性多発筋痛症(たはつきんつうしょう)」があります。
ここでは腰の痛みとの関連について解説します。
1.リウマチ性多発筋痛症が疑われる症状
腰の痛みのほかに、以下の様な症状・特徴が見られる場合、リウマチ性多発筋痛症が発症している可能性があります。
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腰痛が見られるほか、腰が固くこわばって動かしにくくなります。特に明け方にかけて症状が強くなり、起き上がれなくなることもあります。
腰以外では、肩、首、お尻、太ももなどに多く発症し、痛みやこわばりを感じるのは筋肉部分です。
関節の痛みを感じることもありますが、関節リウマチのように関節が腫(は)れ上がるようなことはあまりありません。
その他の症状としては、全身に倦怠感を感じたり、食欲がなくなって体重が減ったり、微熱が出たりすることが多いです。
2.リウマチ性多発筋痛症とは? - 特徴や原因
リウマチ性多発筋痛症は、膠原病(こうげんびょう)の一つです。
ウイルスや細菌などの外敵から体を守る作用である『免疫(めんえき)システム』に、何らかの原因で異常が発生する病状です。免疫系が自分自身の正常な細胞や組織を"異常なもの"と勘違いして攻撃し、炎症などが起こります。こうした免疫システムの異常が起こる原因については未だにはっきりと分かっていません。
膠原病は男性よりも女性に多く発症します。
リウマチ性多発筋痛症の原因ははっきりと分かっておらず、ほとんどは50代〜60代以上の高齢者に発症します。
通常のリウマチとはまったく異なる病気です。
関節リウマチでは、指、手首、ひじ、ひざなどの関節がこわばるのが特徴ですが、リウマチ性多発筋痛症では関節症状が起こるのは大きな関節が中心で、手指にはほとんど現れません。
3.診断・治療・予防
◆診断
50歳以上の高齢者で、筋肉の痛みとこわばり、"だるさ"などの全身症状が見られるといった特徴が診断の参考になります。ほかにも血液検査で白血球の増加、血小板の増加、C反応性蛋白(CRP)上昇などを調べます。
こうした診断の結果からリウマチ性多発筋痛症の可能性を推測することはできますが、診断を確定できるような決定的な特徴や検査法はありません。
◆治療
通常は比較的少量のステロイド薬で十分効果があります。効果が現れはじめたら少しずつ薬の量を減らしていきます。大抵は1〜2年かけて治療を行うことになりますが、ステロイド薬の長期服用は骨粗しょう症や動脈硬化などの副作用があるため、これらの対策も同時に行っていきます。
4.リウマチ性多発筋痛症データ
【受診科】
- 内科/リウマチ・膠原病科