女性に腰痛が多い理由

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腰痛は女性に多く発症する

腰痛は男性よりも女性に多いとされています。
これは腰痛の原因となりうる"女性特有の要因"が数多く存在するためです。
女性の腰痛を増やす要因には、「身体的な特徴や生活習慣」、「女性ホルモンの変化」、「女性特有の病気」の大きく3つがあります。

<目 次>

  1. 身体的な特徴、生活習慣
  2. 女性ホルモンの変化
  3. 女性特有の病気

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1.身体的な特徴・生活習慣

女性の身体的な特徴、妊娠による体型の変化、生活習慣などが腰痛の発生率を高めます。

1-1.身体的な特徴

◆筋力不足

女性は男性に比べて全身の筋肉量が少なく、体を鍛えても筋肉がつきにくい体質です。
これは筋肉をたくさん作るための男性ホルモン「テストステロン」の分泌量が男性に比べて少ないためです。

腰の位置にある背骨「腰椎」は、腹筋・背筋などの筋肉や靭帯によって支えられています。
筋力が弱いほど腰椎を支える力も弱まり、腰椎を構成する椎間板などの組織に大きな負担がかかります。その結果、椎間板ヘルニアに代表されるような腰椎の障害が発生し、腰痛が起こります。
腰痛を防止するためには、普段から適度な運動を行って体を丈夫に保つことが大切です。


◆尿道の位置
膣と尿道
女性器断面図(横)

女性は男性に比べて尿道が短く、尿道口も細菌が繁殖しやすい膣や肛門の近くにあります。このため、大腸菌などの細菌が尿道をとおって膀胱(ぼうこう)内に入り、膀胱炎を起こしやすくなります。
膀胱炎などの尿路感染症は、腰痛の元となる様々な腎臓の病気(腎盂腎炎など)の原因となります。


◆冷え性

冷え性の女性

体が冷えると、冷えた箇所の血液の流れが悪くなり、酸素や栄養素が十分に運ばれなくなったり疲労物質がたまりやすくなります。すると筋肉が疲労しやすくなるほか、痛みが悪化しやすく、治りも遅くなります。腰を冷やすことは腰痛の発症や悪化につながります。

女性は男性よりも冷え性の人が多いですが、その要因は大きく2つです。
一つは男性よりも筋肉が少ないことです。筋肉には熱を作り出す働きがあるため、筋肉が少ない分、体が冷えやすくなります。
もう一つが、子宮・卵巣・月経(生理)があることです。熱は血液によって運ばれます。月経時は出血が多くなるほか、子宮・卵巣という男性にはない臓器へと余分に血液が回されます。こうしたことから腹部の血液量が少なくなる分、運ばれる熱も減ります。
そのほか、ダイエット、薄着、低血圧、貧血なども女性に多く見られ、冷えの原因になります。


1-2.妊娠

妊婦イラスト

◆体型と体重の変化

妊娠すると、大きくなったお腹を前に突き出すようになります。すると腰椎も前にせり出す形になり、背骨の自然なカーブがゆがんで、通常より腰にかかる負担が大きくなります。さらに体重が増えることで腰椎への負荷も大きくなり、腰痛を発症しやすくなります。

◆体内の変化

妊娠中に子宮が大きくなると、周囲の臓器を圧迫するようになります。その結果、周辺臓器に異常が起きて腰痛につながることがあります。例えば尿管が圧迫されると水腎症になりやすく、お腹や腰が痛みます。

また、出産時には狭い産道を赤ちゃんが通り抜けられるように「リラキシン」というホルモンが分泌されます。これには関節を柔らかくする作用があり、骨盤が広がって産道も広くなります。
リラキシンは妊娠中から産後1〜2ヶ月まで分泌され、骨盤はとても柔らかく不安定になります。この期間中にガードルなどによる締め付け、足を組む・足を崩して座るなどの刺激が加わると、骨盤がゆがんで腰痛の原因になります。


1-3.かかとの高い靴

ハイヒール

女性の履く靴には、ハイヒールやパンプスなど、かかとの高いものが多くあります。
かかとが持ち上がると前のめりの不安定な姿勢になり、バランスをとろうとして腰を反らせます。こうした無理な体勢は腰の筋肉の緊張させ、この状態が続くと腰椎にかかる負荷が大きくなり腰痛を起こしやすくなります。
「腰が重い、だるい」といった違和感を感じたら、早めにローヒールの靴に履き替えましょう。

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2.女性ホルモンの変化

人の成長には、体内で生成・分泌される様々なホルモンが大きな影響を与えています。
思春期を迎えると男女ともに性ホルモンの分泌が盛んになり、大人に向けた体づくりが始まります。男性なら男性ホルモン「テストステロン」の影響で筋肉質で男性的な身体に、女性なら女性ホルモン「エストロゲン(卵胞ホルモン)」によって乳房が発達し、皮下脂肪が増えて丸みのある女性らしい身体つきに変わっていきます。

女性には子どもを妊娠・出産するという役割があるため、これだけでは終わりません。思春期に入り、体内で赤ちゃんを育むための環境が整うと、初潮を迎えて「月経(生理)」が始まります。
月経に関連した女性ホルモンの変化が腰痛を引き起こすケースが多く見られます。

◆月経痛(生理痛)

生理痛に苦しむ女性

月経につきものなのが「月経痛」です。腰痛を含む様々な不快な症状が現れます。

生理前や生理中に分泌される「黄体ホルモン」や「プロスタグランジン」などの女性ホルモンは、月経・妊娠・出産が正常に行われるようにする働きを持つホルモンなのですが、同時にこのホルモンの働きが副作用的につらい症状を引き起こしたり、分泌量が増えすぎて体の機能をコントロールする自律神経のバランスを崩し、頭痛、腹痛、イライラなどの原因にもなります。

日常生活に差し支えるほど月経痛がひどい場合を月経困難症といいます。また、ホルモンの変化によって月経前に現れる不快な症状を月経前症候群(PMS)といいます。

◆月経不順(生理不順)

生理周期が乱れる生理不順

女性ホルモンのバランスが崩れることで、月経に様々な異常が生じている状態を月経不順といいます。月経不順には、「月経周期の変化」、「月経が続く期間の変化」、「月経量の変化」があります。
ホルモンバランスが安定しない時期である思春期や更年期などに生じやすく、また、疲れやストレス、病気などがホルモンに影響して起きることもよくあります。

軽度のものなら、ゆっくり休んだりリフレッシュすることで自然に正常な状態に戻りますが、長引いて症状が重くなると、若い女性でも更年期障害が起きたり、様々な子宮の病気を発症したり、不妊症の原因になったりすることがあります。
月経不順によって腰痛などの不快症状が生じることがあります。これは月経の異常そのものが原因というよりも、月経不順に陥るような状態、つまり身体的・精神的な疲労がたまっていたり、ホルモンバランスが崩れているなどの体の不調から生じていると考えられます。月経不順によって発症する病気が原因となるケースもあります。

◆更年期障害と骨粗しょう症

イラスト:更年期障害

女性は平均50歳前後で、月経が起きなくなる「閉経」を迎えます。閉経が起こる時期を「更年期」と呼びます。
更年期は卵巣が役割を終えて、女性ホルモンの分泌が低下していく時期です。このホルモンバランスの変化によって現れてくる様々な症状を更年期障害といいます。月経不順によって20〜30代の若い女性に見られることもあります(若年性更年期障害)。
頭痛、肩こり、腰痛、冷え性、めまい、のぼせ、むくみ、気分の落ち込みなど症状は様々です。

また、更年期障害の一部として骨粗しょう症変形性腰椎症が起こるケースが多くみられます。これらの病気も腰痛の原因となります。


  • 「骨粗しょう症」
    骨量(骨密度)が減り、骨の内部がスカスカになりもろくなった状態です。転倒などのちょっとした衝撃で骨折しやすくなり、腰痛や背中の痛み、腰が曲がるなどの症状が現れます。
    骨の代謝には女性ホルモンの「エストロゲン」が深く関わっています。骨の形成を進め、骨の破壊・吸収を抑える働きがあります。閉経後はエストロゲンの分泌が急激に減るため、骨量が減少して骨粗しょう症になる女性が急増します。

  • 「変形性腰椎症」
    腰部の背骨「腰椎」が老化して変形し、周囲の神経などを刺激して痛みをもたらす障害です。骨粗しょう症と同じように閉経後は骨がもろくなることで発症しやすくなります。腰の鈍痛や下半身のしびれなどが主な症状です。

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3.女性特有の病気

胎児を育む臓器である「子宮」。男性が経験することのない「月経」。こうした女性特有のものに関する病気の中には、腰痛の症状が見られるものが多くあります。特に位置的に腰に近い子宮の病気の多くで腰痛が発生します。

子宮の構造
解剖図:子宮・子宮内膜・子宮筋層
図解:子宮・子宮頸部・子宮体部

  1. 子宮内膜症
    子宮の内側を覆う子宮内膜という膜が、子宮から離れた場所にできる病気です。月経時に月経血の一部が逆流することで起こると考えられています。最も特徴的な症状は強い月経痛(生理痛)で、特に下腹部や腰が激しく痛みます。

  2. 子宮筋腫
    女性ホルモンの影響で子宮の筋肉の層にできる良性の腫瘍です。最初は小さな芽のようなものが徐々に大きくなるにつれて様々な症状を引き起こします。
    自覚症状で一番多いのが、月経血の量が異常に増える「過多月経」と、月経時以外に性器から出血する「不正出血」です。

  3. 子宮がん(子宮頸がん・子宮体がん)
    子宮にできる悪性腫瘍で、子宮頸がんは20〜30歳代の若い世代、子宮体がんは50〜60歳代の閉経後の女性に多く見られます。がんが進行すると、月経時以外の性器からの出血、血の混じったおりものやピンクのおりもの、おりものの量が増えるなどの症状が現れます。

  4. 子宮頸管炎
    子宮の出入口である子宮頚管で細菌感染による炎症が発生する病気です。症状としては、白または黄色っぽいおりものがたくさん出るようになるほか、病気が長引くと炎症が広がって腰や下腹部が激しく痛むようになります。

  5. 月経困難症、月経前症候群(PMS)更年期障害骨粗しょう症など
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