更年期障害で腰が痛むケース

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『更年期障害』の詳細 - 症状・原因・治療法

女性の腰痛を引き起こす病気・障害の一つに更年期障害(こうねんきしょうがい)があります。
ここでは、その特徴や腰痛との関連について解説します。

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1.更年期障害が疑われる症状

以下に示すような症状が見られる時は、更年期障害が発生している可能性があります。

閉経後に起こる更年期障害


  • 頭痛、めまい、耳鳴り、肩こり、腰痛、動悸、肌荒れ、肌のほてり、むくみ、のぼせ、発汗、手足の冷え、性欲低下
  • イライラ、気分の落ち込み、不安感、不眠、蟻走感(※)
  • 月経の異常(月経不順)
    →生理がこない、生理が遅れる、生理周期が不安定になるなど

※蟻走感(ぎそうかん):アリが肌の上をはっているような、むずむずした感じのする知覚異常


更年期障害では多種多様な不快症状が見られます。
症状の程度は人それぞれですが、特に症状が重い人にとってはつらい症状がいつまでも続くことから深刻な状態に発展することもあります。
実際、更年期障害が中高年女性の鬱(うつ)病の引き金となるケースが非常に多く見受けられます。

腰痛が見られる場合、変形性腰椎症(変形性脊椎症)を併発していることが多いです。


2.更年期障害とは? - 特徴や原因

更年期障害イメージ

女性は50歳前後になると、月経(生理)が終わる「閉経」を迎えます。この閉経が起こる時期のことを更年期といいます。

更年期は卵巣が役割を終えて女性ホルモンの分泌量が減少し始める時期です。月経が徐々に不規則になっていくほか、ホルモンバランスが大きく変化する影響を受けて、心身に様々な不快な症状が現れてきます。これを更年期障害といいます。

症状の内容や重さは人によって様々ですが、女性なら誰でも経験するものであり病気ではありません。
不快な症状が何日か続いた後に治まり、また数日経ってから始まるといった具合に断続的に続きます。

更年期障害が続く期間はおよそ10年といわれています。年月が経つにつれてホルモンの分泌が安定していき、徐々に症状は穏やかになり、発症期間は短く、発症の間隔は長くなっていきます。

◆若年性更年期障害について

仕事の疲れやストレス

更年期障害は女性ホルモンが低下し始める40代半ばあたりから徐々に現れ始めるのが普通です。
しかし近年では、仕事や日常生活における疲れやストレスの増加によって、20〜30代の女性でも更年期障害を発症する方が増えてきました。これを若年性更年期障害といいます。
特にバリバリ仕事をこなし、疲れやストレスがたまりやすいキャリアウーマンに多く見られます。

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3.治療・対策・予防

更年期障害はおよそ10年前後と非常に長い期間続くため、あまり深刻に考えずに気長に付き合っていく姿勢が大事です。
とはいえ症状が重い人にとっては深刻な問題で、精神的に参ってしまうことも多いです。ただ我慢しているだけでは状況は悪化するばかりですので、つらい症状を和らげるための様々な対策を行う必要があります。

◆対策1.楽しく活力のある生活を送る

趣味や生きがいを持つ

つらい症状が続くと、どうしても気分が落ち込み気が滅入ってしまいます。何をするにもやる気が起きず、動くことが億劫になって家にこもりがちになります。するとつらい症状にばかり意識が集中し、いつまでこんな状態が続くのかと絶望的な気持ちになっていきます。

痛みなどの不快な症状は、精神状態の影響を大きく受けます(参考:心因性腰痛)。
心労がたまると、身体の機能をコントロールする自律神経のバランスが崩れ、痛みを通常よりも大きく感じるようになります。精神的なストレスと症状悪化の悪循環を断つことが重要です。

趣味など好きなことに熱中したり、やりたいことを我慢せずに暮らしていくことを目標にしましょう。散歩や軽い体操などで、体を軽く動かすことも効果的です。気分転換を図り、リラックスする方法を身に付ければ症状は大分良くなるはずです。
痛みは快感により抑制されるという科学的根拠があります。痛みを和らげるには、楽しい、心地よいと思うことをたくさんすればいいのです。好きなことをしてストレスを解消し、人生を楽しめるようになれば、不快な症状に縛られることが少なくなります。

◆対策2.病院で治療を受ける

医療機関を受診

自力ではどうしても症状が改善しない場合は、無理に我慢せずに婦人科を受診して医師に相談することをお勧めします。個々の症状に応じた薬を処方してもらえます。場合によっては精神科などの専門医を紹介してもらうこともできます。

痛みに対しては鎮痛剤や漢方薬、精神症状に対しては抗うつ薬、抗不安薬などが有効です。
つらいときに薬を使用することは決して悪いことではありません。薬の効果で症状が和らいでくれば、気分がよくなって積極的に活動することもできるようになり、更に症状は改善していきます。

◆若年性更年期障害になったら

若年性更年期障害の場合、ホルモンバランスが乱れる原因は普段の生活習慣にあるため、薬による治療では根本的な解決にはなりません。
原因となる日々の疲れやストレスを減らし、規則正しい生活を送るための努力と工夫が必要となります。


関連項目


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