腰痛の原因は特定しづらい

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イラスト図解:腰背部の構造・骨格・筋肉

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腰の痛みは思ったほど単純ではない

腰痛といえば一般的には「ぎっくり腰」や「椎間板ヘルニア」などの障害が連想されることが多く、腰の使いすぎによって筋肉や骨が傷んで起こるものだと単純に考えられがちです。
しかし実際には、「この腰痛は○○によって起きている」とか、「病名は○○である」といったふうにはっきりと原因を確定できるようなケースは思いのほか少ないのです。

腰痛がたった一つの要因によって生じていることはまれです。多くの場合、複数の要因が関係しており、複雑にからみあって起きている場合は原因の特定が困難になります。

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◆腰痛の主な原因

腰痛の主な原因は大きく4つに分けられます。

  1. 骨や筋肉の障害による痛み(器質的な痛み)
  2. 神経の障害による痛み(神経痛)
  3. 精神的ストレスによる痛み(非器質的な痛み)
  4. 内臓の病気による痛み

これらの4つの要因のうち一つだけが原因となっていることもあれば、複数の要因によって腰痛が起きている場合もあります。


1.骨や筋肉の障害による痛み

イメージ:器質的な痛み

腰の中心には腰椎(腰部の背骨)があり、固い骨「椎骨」と軟らかい軟骨「椎間板」が折り重なってできています。
骨同士は椎間関節という関節で連結されており、積み重なった骨が崩れないように周囲を靭帯や筋肉によって支えられています。こうした腰の組織が損傷したり炎症を起こしたりして痛みを生じます。

腰のケガ、筋肉痛、肉離れ、打撲、捻挫、関節痛、骨折などがこれに該当します。

痛みの発生する詳しいメカニズムや、痛みの特徴などについては別項で詳しく解説します。


2.神経の障害による痛み(神経痛)

イメージ:腰部〜下肢の神経痛

腰椎の内側には、脳から腰まで伸びる中枢神経「脊髄」や「馬尾神経」が通っています。また、これらの神経は腰から無数の細い神経に枝分かれして、足先に向かって伸びています(坐骨神経)。
こうした神経が圧迫されたり損傷を受けると、腰から下半身にかけて痛みやしびれを生じます。

病気によって発生することもありますが、ほとんどは腰の骨、椎間板、靭帯などの変形が原因となります。

痛みの発生する詳しいメカニズムや、痛みの特徴などについては別項で詳しく解説します。


3.精神的ストレスによる痛み

ストレス性の腰痛

原因不明の腰痛の多くには、多かれ少なかれ精神的ストレスなどの心の問題が関わっていることが、近年の研究によって判明しています。こうした腰痛は「心因性腰痛症」と呼ばれ、ストレスの多い現代社会において多く見られるようになりました。

体の異常に、ストレスなどの心理・社会的要因が加わることで腰痛が引き起こされるケースは年々増え続けており、 複数の身体的・精神的な要因が複雑にからみ合っていると、何が直接の原因となって痛みが起きているのか特定するのが難しくなります。慢性的な腰痛には精神的ストレスが関わっているケースが多く見受けられます。

痛みの発生する詳しいメカニズムや、痛みの特徴などについては別項で詳しく解説します。


4.内臓の病気(内科的疾患)による痛み

臓器・器官イメージ

胃、肝臓、腎臓といった内臓や女性の子宮など、体内の臓器・器官の病気によって腰痛が起こることがあります。
臓器周辺に発生した痛みが腰にまで響いたり(放散痛)、病巣が腰の近くの組織まで広がって痛みを生じたりします。

多くの場合、腰椎や筋肉には異常が見られないため、病気の種類によっては原因の特定が困難なケースもあります。

痛みの発生する詳しいメカニズムや、痛みの特徴などについては別項で詳しく解説します。

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◆原因不明の「非特異的腰痛」について

腰の画像検査

椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、腰の骨や椎間板の変形が画像ではっきり確認できる障害では、痛みの原因が明らかであり、はっきりとした病名で診断を下せます。しかしこうしたケースは腰痛全体から見ると少数派です。

腰痛は多くの場合、レントゲン撮影やMRIなどの画像検査を行っても原因を突き止めることができません。腰の痛みがあるのに、骨などの組織に異常が見られないものが腰痛全体の85%を占めています。こうした原因不明の腰痛のことを医学的に非特異的腰痛といいます。これに対して、画像検査で骨の異常や神経圧迫などが見られる場合には特異性腰痛と呼ばれます。

非特異的腰痛とは医学的な用語であり、病院の診断では腰痛症坐骨神経痛という名称で呼ばれます。腰痛で病院を受診すると、必然的にこのどちらかと診断されるケースが多くなります。
神経のどこかに異常がある神経性の痛みと思われる場合は「坐骨神経痛」と診断され、筋肉の疲労やケガ、関節や靭帯の損傷など、神経以外の要因が原因であると思われれば「腰痛症」と診断されます。
例えば、ぎっくり腰は腰に激しい痛みがあっても、腰の骨や椎間板には画像で分かるような異常は見当たらないため、非特異的腰痛(腰痛症)に分類されます。


◆なぜ原因がわからないのか?

国民病と言われるほど患者の多い腰痛ですが、その約9割ではっきりとした原因が分からないのはなぜでしょうか。それは、腰痛の場合、必ずしも腰の組織に明らかな問題が現れるわけではなく、また複数の要因が関係していることも多く、原因の特定が難しいケースが多いためです。

また、腰はひざと並んで体の中でも何かと負荷がかかりやすい部位であり、何が負担となっているのか分かりにくいということもあります。組織の老化、筋力低下、運動不足、腰の疲労蓄積、生活習慣上の問題、姿勢のゆがみ、肥満による腰への負担増など、いくつかの複合的要素が考えられます。

複数の要因がからむほど原因の特定は難しくなる

痛みに複数の要因がからんでいる場合、先に述べた4つの要因のうちの "どれ" が "どの程度" 関係しているかは個人差があります
3の「心の痛み(ストレス)」が占める割合が大きいほど、原因不明の腰痛と診断される確率が高くなります。また、ストレスがからむと、「腰痛が発生する確率」や「強い痛みが生じる危険性」も高まります。
例えば、椎間板ヘルニアは1〜3の要因全てが絡む可能性があります。椎間板から飛び出たヘルニアが神経に炎症をもたらしたり(1)、ヘルニアが神経を物理的に強く圧迫したり(2)します。画像検査でヘルニアが確認されても、ひどく痛む人と症状が全く出ない人がいるのは、心理・社会的な要因(3)があるかどうかが関係しています。

近年の研究結果から、非特異的腰痛の3分の2(腰痛全体の約半分)には、多かれ少なかれストレス、不安、鬱(うつ)などの心理・社会的要因が関与していることが分かっています。

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