明らかな原因が分からない「腰痛症」について

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『腰痛症』の詳細 - 症状・原因・治療法

腰痛を引き起こす可能性のある病気や障害の一つに「腰痛症」があります。
ここでは、その特徴や腰痛との関連について解説します。

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1.腰痛症が疑われる症状

腰の痛みのほかに、以下の様な症状・特徴が見られる場合、腰痛症が発症している可能性があります。

原因不明の腰痛


  • レントゲンやMRIなどの画像検査では明らかな異常が見られず、原因をはっきりと特定できない

腰痛症による痛みの特徴としては、"慢性的に続く鈍痛"である場合が多く、同時に腰に疲れや重苦しさも感じます。ぎっくり腰のような急な激痛が起こるケースもあります。
こうした腰の異常や、時には強い痛みがあるにもかかわらず、X線撮影などの検査を受けても異常が見られず原因を特定できません。

2.腰痛症とは? - 特徴や原因

腰痛があるのに、X線撮影やMRIなどの画像検査を行っても、骨、椎間板、神経などの組織に異常が見られず、明らかな原因を特定できないものを、医学的に非特異的腰痛といい、病院の診断では「腰痛症」という名称で呼ばれます。
つまり、腰の痛みはあるのに病名を特定する決め手となるような特徴がない腰痛をまとめて腰痛症と呼んでいるのです。

原因不明の「特異的腰痛」

原因がはっきりしていて、"椎間板ヘルニア"などの病名で診断を下せる腰痛は思いのほか少なく、データによると腰痛全体の実に85%が、原因がわからない非特異的腰痛であるとされています。
これは、腰痛の場合必ずしも腰の組織に明らかな問題が現れるとは限らず、またストレスや内臓の病気が絡んでいるケースも多いといった理由から、原因の特定が難しいためです。

非特異的腰痛には大きく「腰痛症」と「坐骨神経痛」の2つがあります。
神経のどこかに障害がある神経性の痛みと思われる場合は「坐骨神経痛」と診断され、筋肉の疲労やケガ、椎間板や靭帯の異常など、おそらく神経以外の要因によるものだと思われる時は「腰痛症」と診断されます。
腰痛で病院を受診すると、必然的にこのどちらかと診断されるケースが多くなります。


◆痛みの原因

腰痛症による痛みは、主に「1.腰の疲労」、「2.腰のケガ」、「3.精神的ストレス」によって起こります。
若い世代の腰痛はスポーツ時のケガによるものが多く、年齢が高くなるほど腰の疲労や老化による痛みが増えます。

原因1.腰の疲労

腰痛は多くの場合、長期にわたって腰を使い続けたり、歳をとって腰が老化することで生じます。
腰を使いすぎると、腰を支える筋肉や靭帯などの組織が疲弊します。ある程度疲れがたまると、筋肉疲労による痛み、いわゆる筋肉痛(筋・筋膜性腰痛)が発生します。

腰に疲労がたまったり、歳をとって腰が老化した状態では、腰を支える力がかなり弱くなります。こうした状態で腰に一度に大きな負荷や衝撃が加わると、腰の内部組織が大きく損傷し、腰の捻挫ともいわれるぎっくり腰(急性腰痛症)が起きて激しい痛みを伴います。

※筋肉疲労による腰痛のほとんどは一時的なものですが、ぎっくり腰のような症状の重いケースを繰り返していると、腰の骨や椎間板の変形が進み、椎間板ヘルニアなどの病気に発展して慢性化することも多いため注意が必要です。

<腰の負担を増やす要因(例)>

腰に良くない姿勢

  • 不適切な姿勢
    前かがみの姿勢(猫背)や中腰の姿勢は腰によくありません。
  • 長時間同じ姿勢を続ける
    立ちっぱなしや座りっぱなしを続けると、腰の筋肉が緊張して固くなり、疲労や痛みの原因になります。
  • 重労働
    重いものを持ったり、腰を曲げたりひねったりと、腰を酷使する機会が増えます。
  • 加齢
    腰まわりの組織が老化して、腰を支える力が弱くなります。
  • 運動不足や栄養不足、肥満や痩せすぎ
    運動や栄養が不足すると老化が早まり、腰の筋力や柔軟性も低下します。また、肥満にもつながります。肥満は体重増により腰に余計な負荷がかかり、痩せすぎると筋肉や骨が弱くなります。

原因2.腰のケガ(外傷)

スポーツ時の激しい接触、転倒事故、交通事故などにより腰に強烈な衝撃が加わると、裂傷、捻挫(ねんざ)、打撲(だぼく)、骨折などの腰のケガが発生します。

こうしたケガによる腰痛は、事故が発生した直後から腰が痛くなることが多いため、原因も明らかなケースが殆どです。


原因3.精神的ストレス

不安やストレス

原因不明の非特異的腰痛の3分の2には、不安やストレス、鬱(うつ)などの心理的要因が関与していることが研究の結果から明らかになっています。これを「心因性腰痛症」といいます。

心労がたまると、痛みの信号を抑制する機能が弱まったり、体の機能を調節する自律神経のバランスが崩れます。その影響で、健康時なら感じることのない痛みを感じるようになったり、他の原因で生じた腰痛を更に悪化させたりします。


◆腰痛症になりやすい人

腰痛になりやすい職業

  • 座りっぱなしの多い職業
    (事務職員、プログラマー、長距離ドライバー)
  • 立ちっぱなしの多い職業
    (販売員、警備員、工場労働者)
  • 重い荷物を持つ職業
    (建設・土木業者、運搬・配達・引っ越し業者、介護・医療従事者)
  • 前かがみや中腰姿勢の多い農業従事者
  • 運動不足の人、腰を使うスポーツをする人、肥満体の人、痩せすぎの人、身長の高い人、ストレスの多い人、高齢者、妊婦など

◆腰痛症の種類

腰痛症は、その症状や原因によって「慢性腰痛症」、「急性腰痛症」、「心因性腰痛症」の大きく3つに分類されます。

  1. 慢性腰痛症
    痛みは激しくないものの、鈍い痛みが慢性的に長く続くものです。腰のだるさや重さを感じることも多いです。
  2. 急性腰痛症
    急で激しい痛みが現れるものです。多くの場合、ぎっくり腰のことを指します。
  3. 心因性腰痛症
    精神的ストレスなど心理的要因が痛みに関係しているものです。
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3.診断・治療・予防

◆診断

病院での診察

問診による詳しい症状の聴き取り、及び視診、触診、打診などの理学的検査を行います。その後は必要に応じて、体を動かした時の反応から神経に異常があるかどうかを調べる神経学的検査や、腰の内部画像を撮影する画像診断を行います。

こうした診断の結果、腰に明らかな異常が見られない場合は「腰痛症」と診断されます。

◆治療

痛みの原因に応じた治療が行われます。

1.腰の疲労が原因の場合

軽い筋肉痛程度であれば、安静を保っていれば数日で自然に回復します。
ある程度症状が重い場合は、安静を保ちつつ、痛みを和らげる保存的療法をとります。
痛み止めなどの薬を服用する「薬物療法」、コルセットなどで腰を固定する「装具療法」、患部を温めて血行を促進する「温熱療法」、腰椎のゆがみを矯正する「運動療法」などを、症状に応じていくつか組合せて行います。

しかし何よりも大事なのは、日常生活において腰に負担をかけないよう生活習慣の改善を図ることです。姿勢を良くして腰に負担となる動作は避ける、適度な運動を行い肥満を解消する、腰をよく暖める、ベッドや布団は固めを選ぶなど、個人の生活状況に応じた対策を指導します。

【参考】

2.腰のケガが原因の場合

ケガの治療を行います。原因がケガだけであれば、傷が完治すれば痛みも治まります。
ただし、大きなケガをしたり、何度もケガを繰り返していると、骨や椎間板の変形が進んで慢性的な腰痛の原因となることもあります。こうした場合は、「1.腰の疲労による腰痛」と同じような腰痛治療も必要になります。

3.心理的要因が関与している場合

精神的ストレスが痛みを増大させている場合、腰の疲労や負担を取り除いても、あまり痛みが良くならないことがほとんどです。こうした場合、ストレスの元となっている問題を解決する必要があります。患者本人だけでは解決が難しい場合は、家族による助けや精神科の医師による治療やカウンセリングが有効です。詳しくは心因性腰痛の項目を参照してください。

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