腰痛になったら何をすべきか/医療機関の選び方

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腰痛が起きたら症状に応じて適切な対応を

腰痛の発症の仕方は様々です。突然ぎっくり腰のような激痛が起きて動けなくなったら、不安ですぐに病院に行かなければと思うかもしれません。日常生活に支障がない程度の痛みなら、自然に治るだろうと放っておくことも多いでしょう。
ここでは腰痛が生じた時にどう対処すべきかを解説します。また、急な激痛に襲われた時の対処法、良い医療機関の選び方も紹介します。

<目 次>

  1. 腰痛が起こったら
  2. 医療機関の選び方
  3. 治療のポイント・注意点

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1.腰痛が起こったら

1-1.病院に行くかどうかの判断


◆急いで病院に行かなくてもよい、しばらく様子をみるケース

腰痛は、日常の姿勢や動作に気をつけて、腰に大きな負荷をかけずにいれば自然に治るケースがほとんどです。
ぎっくり腰のような急性の腰痛なら一週間程度、その他の腰痛でもだいたい一ヶ月もあれば治ります。
以下のようなケースでは、数日安静にしてみて、痛みが徐々に和らいでくるようなら様子を見てもいいでしょう。

  • 症状が「腰の痛み」だけで、安静にしている時は痛みが和らぐ
    ぎっくり腰のような急性の腰痛発作も、痛みは激しいですが数日安静にしていれば痛みが治まってくることがほとんどです。痛みの強さと緊急度は必ずしも比例しません

  • 痛みなどの症状が日ごとに軽くなっていく

  • いつも痛むわけではない

  • 朝には腰に痛みや不快感があるが、時間が経つと和らいでいく。または体を動かしていると痛みが和らぐ

  • 今までに何回も同じような腰痛を繰り返している(その度にすぐに治っている)

<考えられる腰痛の原因>



◆病院を受診したほうが良いケース

  1. 痛みが長期間にわたりしつこく続いている(慢性腰痛)

  2. 安静にしていても痛みが続き治まらない
    どんな姿勢をとっても痛む、痛みやしびれなどの症状が時間とともにひどくなる、夜間に痛みで目が覚めるなど

  3. 腰痛以外の症状がある
    馬尾症状」:下半身の痛みやしびれ、歩行障害、足の筋力低下・脱力感、排尿・排便障害など
    「内科的症状」:発熱、寒け、だるさ、吐き気、頭痛、腹痛、排尿・排便障害、血尿など

  4. 食事、排尿、生理などに関連して痛みが起きたり強まったりする

  5. 背骨の動きが悪い(固くて前後に曲げにくいなど)
    痛みのある箇所を押したり叩いたりすると強く痛む

<考えられる腰痛の原因>

  1. 慢性腰痛が見られる場合、腰椎の障害が進行していたり、ストレス内臓の病気が痛みの原因となっている可能性があります。放置すると症状が悪化して治りにくくなったり、日常生活に支障をきたす恐れがあるので、一度病院で診察を受けて原因を調べ、早めに適切な治療を行ったほうが良いでしょう。

  2. 姿勢や動作に関係なく常に痛みがあり、特に就寝中の痛みや症状の悪化がみられる場合は、骨の腫瘍や細菌感染内臓の病気等を発症している可能性が非常に高いです。
    骨の病気を放置すると、骨が破壊されたり、重篤な感染症を引き起こすなど深刻な状態に陥りやすいです。
    内臓の病気は緊急性の高いものばかりではありませんが、中には"がん"など生命に関わるものもありますので、やはり早急に対処する必要があります。
    また、腰部を骨折している場合も痛みが続きます。運動や事故で腰を強く打ってから痛み始めたような時は骨折も疑いましょう。

  3. 腰痛以外の症状では、馬尾症状が現れた場合は神経障害が強く疑われます。特に両足に症状が見られる場合は、脊髄や馬尾神経などの重要な神経が障害されている恐れがあり、治療が遅れると損傷が完全に回復せず強い後遺症が残ることもあります。内科的症状が見られる場合は、風邪や内臓の病気が疑われます。

  4. 消化器系の臓器に障害があると、食事に関連してお腹や腰の痛みが強くなることがあります。また、月経痛や子宮内膜症など、女性特有の病気では月経に関連して痛みが強まるものが多いです。内蔵の病気や女性の病気の中には排尿や排便時に痛みが見られるものもあります。

  5. 骨の腫瘍や細菌感染でよく見られる症状です。

※2〜5のケースでは、より緊急性が高まります。こうした症状の陰に重大な病気や障害が隠れている可能性があるため、早急に医療機関を受診してください。


1-2.救急時の対応

腰の疲労がたまっていると、ちょっとした腰の動作をきっかけに突然動けなくなるほどの激痛に襲われることがあります。これを「急性腰痛発作」といいます。俗にいう"ぎっくり腰"です。急なつらい痛みを乗り切るための具体的な方法を学んでおきましょう。

  1. 休める場所を確保する
    あわてて動くと痛みが強まるため、まずは横になって休める場所を確保します。
    腰を極力動かさず、楽な姿勢をとりながら壁や柱などをたよりに休める場所までゆっくりと移動します。痛みで動くことができない時は声をあげて第三者の助けを求めましょう。
    初めての場合は、あまりの痛みでパニックになりがちです。しかし、痛みは激しくても深刻な状態であることは少なく、緊急度は低いです。安静にしていれば治まることがほとんどなので、落ち着いて行動しましょう。

  2. 横になり安静にする
    横になり楽な姿勢を見つけて、痛みが和らぐまで休みます。横向きや仰向けの姿勢は腰の負担が少ないため、痛む側を下にして背中を丸め、両膝を抱えるようにして横向きに寝ると楽になることが多いです。

  3. 自宅に戻り安静を続ける
    痛みが和らいでなんとか歩けるようになったら、いったん自宅に戻りましょう。歩いて帰れる距離なら、ゆっくりと楽な姿勢で壁づたいに歩くなどして腰を保護します。できれば電話で連絡して車で迎えに来てもらうのがよいでしょう。

家に戻ったら少なくとも一日は静かに寝ていましょう。
前述したような楽な姿勢で休みます。仰向けに寝るなら膝を少し立てて、その下に座布団やクッションを入れて寝ます。ベッドや布団は硬めのものを使いましょう。全ての動作はゆっくりと行い、起き上がる時や歩く時は腰に負担がかからないよう壁などを支えにします。

腰に負担のかからない楽な寝方

若い人ならだいたい2〜4日、中高年でも一週間もすれば動けるくらいまで回復しますので、それまでは安静を保ち続けます。
動けるようになったら、多少痛みが残っていても歩いたり仕事をしたりして徐々に通常の生活に戻っていくようにしましょう。ただし、前かがみや中腰の姿勢、重いものを持つ、長時間同じ姿勢で作業するなど、腰痛を起こしやすい動作はしばらく避けます。

ぎっくり腰は完治するまでは大事をとって寝ているのが一番だと思われてきましたが、現在では、急性腰痛はある程度回復したら無理のない範囲で普段どおりに日常生活を送るほうが、安静にするよりも治りが早いことが分かっています。安静にしすぎることは回復を遅らせ、かえって状態を悪くしてしまうこともあります。特に高齢者の場合、寝たきりにつながる恐れもあるので過度の安静は禁物です。



◆病院にはいつ行くべきか

痛みの激しい時期に無理に動くと症状を悪化させかねません。痛みが和らいで、ある程度普通に日常生活が送れるまで回復してから整形外科を受診しましょう。

ぎっくり腰の原因は、腰まわりの組織の一時的な障害である場合が多く、大抵1〜2週間もすれば回復するため必ずしも病院に行く必要はありませんが、中には治療が必要なケースもあります。特にぎっくり腰が初めての人は、動けるようになったら念のため受診しておくとよいでしょう。

また、「1〜2週間以上たっても症状が良くならない」、「痛みがひどくなる」、「安静にしてもどんな姿勢でも痛む」、「下半身の痛みやしびれ、排尿や排便の障害、または発熱・冷や汗・吐き気・腹痛・血尿などの内科的症状がある」といった場合も、他の病気が原因となっていることがあるため必ず医師の診断を受けてください。



◆痛みを和らげるには

冷やしたり温めたり

ぎっくり腰を起こしてから2〜3日の痛みがつらい時期は、激しい炎症によって患部がほてって熱を持っています。こうした時は冷たいタオルや氷のう、冷シップなどで患部を冷やすと良いでしょう。冷シップは患部がひんやり冷たく感じるだけでなく、消炎鎮痛作用のある成分が配合されています。

炎症が鎮まった後は、冷やし続けると血液の循環を悪くして逆効果となります。よって、ほてりと痛みが治まってきたら、今度は血行を良くして痛みを和らげるために、カイロや蒸しタオルを使って温めるようにします。温シップは成分によっては温め効果がまったく無かったり、皮膚がただれることもあるので注意が必要です。

冷やすか温めるかは、「患部のほてり」と「心地よいかどうか」で判断しましょう
痛み止めの薬(消炎鎮痛剤)も有効ですが、根本的な治療にはならないので短期間の服用にとどめましょう。

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2.医療機関の選び方

2-1.まずは整形外科へ

腰痛で医療機関を受診する場合、病院に行くかそれとも民間の整体やマッサージに行くか、病院にかかるなら受診科はどこがいいのかなど、選択肢が多くて迷うかもしれません。腰痛の原因は様々なので、最終的には精神科や神経内科、脳神経外科、泌尿器科、循環器科などで治療を行うことになる可能性もあります。
しかし、痛みの程度に関わらず、主な症状が腰痛である場合は、まずは「整形外科」を訪ねましょう
整形外科が扱う疾患の中で、腰痛は最も一般的なものです。さらに脊椎や脊髄を専門とする医師がいる病院ならなお良いでしょう。

診察の結果、原因が腰ではなくストレスや内蔵の病気である疑いがあれば、専門の医師や別の医療機関を紹介してもらうことができます。
持病がある人の場合、持病が腰痛の原因となっていることがあるので、かかりつけの医師がいれば一度相談してみましょう。


2-2.良い医療機関、信頼できる医師を選ぶポイント

医者との信頼関係

  1. 患者とのコミュニケーション
    患者の訴えをよく聞いてくれて、しっかり受け答えしてくれる医師は信頼が置けます。円滑なコミュニケーションは患者の不安を取り除いて安心感を与えたり、相互の信頼関係を築くのに欠かせません。逆に患者からの質問をうるさがったり、あまり話をしたがらない医師は、患者のことを親身になって考えてくれているのか疑問が残ります。人格的にも信頼できる医師を選びましょう。

  2. 問診や触診などの基本的な検査に力を入れているか
    患者から症状の聴き取りを行う「問診」などの基本的な診断を、じっくりと時間をかけて行ってくれるのが理想的です。特に腰痛の場合、レントゲンなどの画像検査では原因がはっきりと分からないケースが全体の約8割を占めると言われます。そのため原因特定のために問診や触診などの基本的な検査が重要になります。また、姿勢や動作の指導に力を入れているかも重要です。
    基本的な検査は数分で簡単に済ませ、レントゲンで異常がなければ問題なしとするような医師では問題があります。画像検査のみに頼らず、問診内容をちゃんと診断に活かしているかどうかチェックしてみてください。【関連項目】:心因性腰痛における問診の重要性

  3. 病気や治療の内容に対する説明
    病気の内容、検査結果、薬の効能などについて、患者に分かりやすくきちんと説明してくれるのが理想的です。逆に病気についての説明が少なく、やたらに薬ばかり出すようなら「問題アリ」です。
    医療の世界には「インフォームド・コンセント」という概念があります。直訳すると「説明と同意」という意味で、 医師が患者の治療を行うに際して、事前に診療の目的や内容を十分に説明し、患者の同意を得ることを言います。つまり、診断や治療は、医師が独りよがりに行うものではなく、医師はあくまで提案者や解説者であり、患者が説明に納得した上で自身で治療法を選ぶことが大事であるという考え方です。

  4. 患者を第一に考えてくれるか
    患者の健康を本当に気にかけてくれる医師ならば、自分の知識や技術では対応できないような場合、他の科や病院の医師への紹介を積極的にしてくれます。逆に他の医師への紹介を嫌がるようでは、患者の事より自身のプライドを重視していると言えます。

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3.治療のポイント・注意点

3-1.一つの治療法や医療機関をしばらく試してみる

病気の治療はすぐに効果が出るものばかりではありません。例えば一つの薬の効果を見るのに3か月くらいかかる場合があります。治療が終わるまでに3〜6か月かかることもめずらしくありません。
特に腰痛に関して言えば、自然に治る「急性腰痛」であっても、完治までに一ヶ月以上かかることがあります。慢性的な腰痛など、病院で治療を受ける必要があるケースなら、なおさら良くなるまでには時間がかかります。

患者からすれば、早く痛みをとってほしい、早く結果がほしいと思うのは当然ですが、だからといって「すぐに痛みがとれないから」とか「原因がよくわらかないから」といった理由ですぐに治療法や病院を変えていると、いつまでも良くなりません。結果を急いで病院を変えるより、最低でも3ヶ月は同じ病院で同じ治療法を試したほうが、結果的には早く治る可能性が高いといえます。

◆ドクターショッピングに注意!

一人の医師の診察に満足できず、次から次へと病院や民間治療施設をめぐることを「ドクターショッピング」といいます。
一ヶ所で腰をすえて治療を受けないうちに次に移ることを繰り返すと、本当の治療効果がわからず、かえって適切な治療を受ける機会を逃してしまいます。
ドクターショッピングを行う人の中には、過去の苦い経験から、医者や医療に対して不満や不信を持ち、医療不信に陥っていたり、痛みや医療に対する強いこだわりや不安を持っていたりと、医療に対する考え方の"ゆがみ"が見られる傾向があります。こうした心理的要因がストレスとなって、腰痛を慢性化・悪化させているケースも多いことを知っておきましょう。


3-2.原因は分からないことのほうが多い

「病院で詳しい検査を受ければ、病気の原因は大抵分かるものだ」という考えは、特に腰痛に関しては当てはまりません。

腰痛の約8割は原因がはっきりとわからない「非特異的腰痛(腰痛症)」であると言われます。腰痛においては原因がはっきりするケースのほうが珍しいのです。
腰痛に関する経験と知識が相当豊富な医師でもない限り、整形外科を受診しても、腰の疲れ・使いすぎによる痛みだと診断されて、痛み止め薬を処方されて終わってしまうようなケースがどうしても多くなります。
だからといって「どうせ病院ではわからないから」と決めつけて、整体やマッサージなどの民間療法だけを受けていると、重篤な病気を見落としてしまう可能性があります。「原因不明の腰痛症である」ということが分かることも大事です。そこで諦めてしまわずに、暫くは一つの治療法を続けてみること、場合によっては評判の良い病院や医師を訪ねてみたり、またはストレス内臓の病気による腰痛の可能性を疑ってみることも必要です。


3-3.「治してもらう」のではなく「自分で治す」心構えをもつ

腰痛をしっかりと治療し、今後の発生を予防していくためには、腰痛は"治してもらうもの"ではなく、"自分で治すもの"という意識改革が必要です。
病気やケガをした場合、自分一人で何とかしようとして素人判断で処置を行えば病状を悪化させかねません。しかし、「あの病院の、あの先生の、あの治療法に頼って治してもらおう」といった他力本願な考え方で、全て医師まかせにするのもよくありません。病院や医師に依存しすぎることは、医療に対する過度の期待や、時には医療不信などの歪んだ考え方を生み出し、不満やストレスによる慢性的な腰痛の原因ともなります。
原因の診断や治療方針など、重要項目の決定は専門科である医師にまかせつつ、自分の症状や病歴を詳しく把握して正確に伝えたり、医師に指示されたことはしっかり守るなど、自分にできる範囲で積極的に治療に協力して、医師と一緒になって腰痛を治していこうという心構えが大切です。

症状が改善してきた後も、「また悪くなったら病院に行けばいい」ではなく、普段から日常の姿勢や動作を改善したり、腰痛のタイプに合った適切な運動や体操を行うなど、主体的に再発予防に取り組みましょう。疲労性の軽い腰痛程度であればセルフケアを続けるだけでもよくなります。
ただ、どんなセルフケアが適切なのかは、腰の状態や腰痛の原因によって異なります。それらがハッキリしていない状態で、あてずっぽうに色々な方法を試したりすると、逆に症状を悪化させる恐れもあります。自分では適切な判断ができないと思った場合は、必ず医師の指導を受けた上で行ってください。

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