体力をつけ、肥満やストレスを解消する運動

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腰痛TOP > 腰の痛みの治療法 > 運動療法 > 2.全身運動(有酸素運動)

心と体の健康に役立つ「全身運動(有酸素運動)」

ウォーキングや自転車など、大きな力を必要とせず、比較的ゆっくりとした動作で全身を動かす運動を有酸素運動といいます。
体の負担が比較的小さいため長時間続けやすく、腰痛解消に役立つ多くの健康効果が得られる運動法です。

<目 次>

  1. 全身運動の効果と運動時のポイント・注意点
  2. 全身運動@ 「散歩・ウォーキング」
  3. 全身運動A 「ジョギング・ランニング」
  4. 全身運動B 「サイクリング(自転車こぎ)」
  5. 全身運動C 「水中ウォーキング・水泳」

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◆全身運動の効果とポイント

得られる主な効果

  • 体力や抵抗力(免疫力)が高まり、体が丈夫になる
    骨や筋肉などを無理なくバランスよく鍛えられるため、体が丈夫になり安定感が増してケガをしにくくなります。また、体力や抵抗力が高まることで病気にかかりにくくなります

  • 肥満を解消する
    リズミカルな呼吸で酸素を多く取り込み、エネルギー(カロリー)を効率よく消費できるため、肥満の解消や予防に役立ちます。体重による腰への負荷が減るほか、生活習慣病予防にも役立ちます

  • 老化を遅らせ腰を若く保つ
    心肺機能や血管の機能が高まり、血行・新陳代謝がよくなって体の老化が遅くなります

  • ストレスを解消する
    苦痛を感じない範囲で気持よく運動を行うことで、爽快な気分になりストレスが解消されます

運動を行う際のポイント・注意点

  • 体を締めつけない動きやすい服装で行いましょう
  • 思わぬケガや症状の悪化を防ぐため、運動の前には十分な準備運動を行い、腰をほぐしておきましょう。運動後も軽く歩いたり腰を伸ばす整理運動を行うことで、回復を早め筋肉痛を予防できます。
  • できる限り継続しましょう。有酸素運動は一日の合計時間が長いほど効果が高まります。一日に合計20〜30分以上、週に3日以上行うのが理想的です。一度に長時間続けられない時は、10〜15分の運動を一日に2回行うなど、都合や体調に合わせて行いましょう。
  • 無理をせずにできる範囲で安全に行いましょう。「軽く息が弾む程度」が目安です。
    限度を超えてやりすぎたり、痛みや疲れがたまっている時に無理に行うと症状が悪化する恐れがあります。また、運動していて気持ちいいと感じることが重要です。続けやすくストレス解消効果も高まります。キツいと感じるような負荷で行うと長続きしません。
  • 運動前や運動中に体調が悪くなったり、腰の強い痛みや・違和感を感じたら、無理に行わずに休みましょう。症状が治まらないようなら病院を受診しましょう。特に以下のような症状が出たら、例え症状が治まったとしても大事をとって診察を受けておくことをおすすめします。
    • 足腰に強い痛みやしびれを感じる。または足腰に力が入らない
    • 頭痛やめまい、激しい動悸、息切れなど
    • 冷や汗が出たり、気分が悪くなる
  • 心肺にある程度負担がかかるため、高齢者や過去に心臓病や脳卒中を起こした人は事前に医療機関で詳しい検査を受けておきましょう。どんな運動が適しているか、どのくらいの運動量が良いのか指示を受けてください。

運動全般の注意点については「運動を行う際のポイント・注意点」を参照してください。

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全身運動@ 「散歩・ウォーキング」

有酸素運動-ウォーキング

全身運動のうち、腰痛持ちの人に特にオススメなのが「ウォーキング」です。
ウォーキングはほかの全身運動に比べて腰の負担が軽く、それでいて骨、筋肉、関節などの組織を強化する効果も十分にあります。そのほか、「時間や場所を選ばず手軽にできる」、「一人でも複数人でも楽しめる」、「歩く距離も自由」、「お金もほとんどかからない」など、とても利点の多い運動です。


◆気軽に散歩から始めよう

ウォーキングといっても、ただ外に出て散歩するだけでも良いので簡単です。近所を散策したり、ちょっと長めにウォーキングしたり、出かけたついでに周辺をちょっと歩いてみたりと色々なやり方があります。
1人で気楽に行うもよし、夫婦や仲の良い友人たちとでもよいでしょう。景色を眺めたり、おしゃべりしながら歩ければより楽しくなります。
最初は無理せず歩ける時間と距離で行い、慣れてきたら徐々に長くしていきます。最終的には毎日20〜30分続けられるようになるとよいでしょう。

散歩の効用は、運動やストレス発散、気分転換になるだけではありません。外の空気を吸って、太陽の光や風を感じ、眼や耳から外界の色々な刺激が入ってくることです。それによって、脳の下行性疼痛抑制系が刺激されると、痛みをブロックする機能が高まります。また、リズミカルに歩くことでセロトニンという神経伝達物質の分泌を促し、うつの回復・予防効果もあります。

◆より効果を高めるためのポイント

ウォーキング時の理想的な姿勢
図解:歩く時の正しいフォーム

  1. 「運動」であることを意識して歩く
    ただ漫然と歩くより、やや急ぎ足で、少し息がはずんで汗ばむぐらいの速さで歩くのが理想的です。あごをひいて胸を張り、腕を大きく振りながら歩きましょう。また、歩くときの姿勢を意識することも大切です。良くない姿勢で歩いていると、かえって腰痛を悪化させてしまうこともあります

  2. 継続して習慣化する
    歩く時間は一日合計20〜30分程度、1週間に3日以上行うことを目標にしましょう

  3. ウォーキングに適した靴をはく
    ウォーキングシューズやスニーカーなど運動用の靴を準備しましょう。 靴底が厚く柔らかいものはクッション性が高く、腰やひざへの衝撃を和らげます。また、キツすぎず緩すぎず自分の足のサイズに合ったものを使いましょう

  4. 動きやすい服装で
    重い服や体をしめつける窮屈な服は避け、軽くゆったりとした服で歩きましょう。汗をよく吸収し、乾きの早い素材を使ったものがお勧めです。高齢者は杖や手押し車を活用するのも良いでしょう。

◆注意事項


  • 長時間歩くときは水分補給を忘れずに。
  • 冬の早朝など、血圧が急上昇しやすい時間帯は避けましょう。日中や夕方の暖かい時間帯がお勧めです。
  • 雨など天候が悪いときは腰を冷やす恐れがあるので、代わりに室内体操などで体を動かしましょう。
  • 犬の散歩をする場合、犬が急に走り出したり止まったりすると、足腰を踏ん張ったり急激な動きが要求されます。これが意外と腰やひざの負担になりますので注意しましょう。
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全身運動A 「ジョギング・ランニング」

イラスト:走って腰痛対策

ウォーキングでは物足りないという人は、軽く走ることで運動効果をより高めることができます。
運動効果が高い反面、腰への負荷や運動後の疲労も大きくなりますので、普段から運動する習慣のある人や、長期間ウォーキングを続けて体が丈夫になり、体力もついて腰痛もだいぶ良くなってきた人のみ行ってください。
腰痛の治療ではなく、予防目的で行うものと考えましょう。

◆注意事項


  • ウォーキング以上に走る前の準備運動は念入りに行い、走り終わった後の整理運動も忘れずにしっかり行いましょう。
  • 長時間走るときは水分補給を忘れずに。また、たくさん汗をかくため腰を冷やさないよう薄着は控えましょう。
  • 走る習慣や経験があまりない人は、専門の本や雑誌などで正しいフォームや注意事項を確認しておきましょう。
  • 持病を持っている人は、走っても大丈夫かどうか事前にかかりつけの医師に確認しましょう。

全身運動B 「サイクリング・自転車漕ぎ」

自転車こぎ運動

ウォーキングと同様に腰の負担が比較的軽く、手軽に行える運動です。
自転車を利用することで行動範囲が広がり、長時間でも楽しみながら運動できるほか、室内で自転車こぎができる「エアロバイク」などのマシンを利用すると、天候が悪くても運動できるといったメリットがあります。
体力や心肺機能を向上させる効果も十分であり、同時に太ももやふくらはぎの筋肉を鍛えることもでき、下半身の筋力トレーニングとしても有効です。

前傾姿勢で運動ができるため、脊柱管狭窄症などの"腰を後ろに反らせると痛みが起こる腰痛"の患者にオススメです。

◆注意事項


  • 周囲の状況や交通マナーに十分注意して行いましょう。
  • まっすぐに運転できないなどバランス感覚の衰えた高齢者の場合、大きな事故を起こす危険があるので、屋外での自転車は控えましょう。
  • 長時間サドルに座り続けることで、股ずれを起こしたり腰痛を悪化させることがあります。お尻や腰に違和感を感じない範囲で行いましょう。


全身運動C 「水中ウォーキング・水泳」

イラスト:水中を歩く運動

水中での運動は、浮力によってひざや足腰への負担が軽くなるため、運動が苦手な人や肥満の人、関節に不安がある人でも比較的安心して行えます。運動量も相当なもので、水泳ならジョギングと同等以上の運動効果が得られます。

水中運動のなかでも、腰やひざに痛みを抱える人にお勧めなのが、水中を歩く「水中ウォーキング」です。特別な技術も必要なく、誰でも手軽に行えます。


◆水中運動のメリット


  1. 水の抵抗があるため運動効率が高い
    水中での水の抵抗は、陸上の空気抵抗の数十倍です。ゆっくり動いても脂肪が燃焼され、筋肉に刺激が与えられます。全身の筋肉をバランスよく鍛えることができ、"筋力アップ"と"リラックス"という2つの効果で腰痛を改善します。消費されるエネルギーが多いため肥満解消効果も高いです。

  2. 心肺機能を高める
    体全体が常に水圧を受けるため、陸上で運動するときよりも呼吸量が多くなり心肺機能が鍛えられます。

  3. 水の浮力
    浮力によって腰をはじめ全身にかかる負荷が減るため、色々な運動がしやすくなります。また、陸上と違って転んでケガをするような危険性が少なく安全に行えます。

  4. 水温
    水中のほどよい冷たさで血管が収縮し、体温低下を防ぐために熱が生産されます。その結果、血行がよくなり、新陳代謝も改善されます。

◆ポイント・注意点


  • 温水であっても水温は体温より低いため、長時間水中にいれば腰が冷えて血行が悪くなり、腰痛が悪化する恐れがあります。水中では常に体を動かし、15〜30分に一度はプールから出て体を温めるようにしましょう。特に冷え性の人や、冷えによって腰痛が悪化している人は、ウォーキングなど他の運動を行うか、事前に主治医に相談して許可が出たら行ってください。

  • 水中では歩くだけでも十分な運動量になります。最初は2〜3分歩いたら休んで呼吸を整えるというパターンを繰り返し、合計で15〜20分行うのを目標にしましょう。1回あたりの運動時間は2時間以内とし、がんばり過ぎたり腰を冷やし過ぎないよう気をつけましょう。

  • 慣れてきたら大股で歩くようにし、後ろ歩きや横歩きなども組み合わせます。
    前進する時、水圧で上半身があおられると腰を痛める恐れがあります。少し前傾姿勢をとり、腹筋に力を入れて歩くのがコツです。
    不安な人は理学療法士やインストラクターの指導を受けて行ことをお勧めします。

  • 水泳を行う時は、腰を強く反るような泳ぎ方をしてはいけません。水泳選手のような本格的な泳ぎ方をする必要はありません。

  • プール付きのスポーツジムを利用するのもオススメです。運動以外の楽しみも多いため続けやすいです。お風呂やサウナも利用できたり、マッサージ機でリラックスできたりと、腰に良い設備も整っている施設が増えています。

関連項目

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