単純性腎嚢胞で腰が痛むケース

『単純性腎嚢胞』の詳細 - 症状・原因・治療法
腰痛を引き起こす可能性のある病気や障害の一つに「単純性腎嚢胞(たんじゅんせいじんのうほう)」があります。
ここでは、その特徴や腰痛との関連について解説します。
1.単純性腎嚢胞が疑われる症状
腰の痛みのほかに、以下の様な症状・特徴が見られる場合、単純性腎嚢胞が発症している可能性があります。
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単純性腎嚢胞を発症しても、何の症状も現れないことがほとんどです。
しかし、嚢胞(液体のつまった袋)が大きくなり腎臓を圧迫すると、腰痛、血尿、高血圧などを引き起こします。わき腹の痛みがみられることもあります。
2.単純性腎嚢胞とは? - 特徴や原因
腎臓は体の左右に一つずつありますが、その片方または両方に1〜数個の「嚢胞(のうほう)」と呼ばれる液体の入った袋ができるものが単純性腎嚢胞です。
嚢胞ができる原因はよくわかっていません。歳をとるほどできやすくなり、50歳以上の人の約半数に見られます。
嚢胞は少しずつ大きくなりますが、通常は何の症状も現れません。腎臓に何らかの影響を与えたり、腎機能を妨げるようなこともなく、治療も特別な処置も必要ありません。
しかし、嚢胞が大きくなって腎臓を圧迫すると、痛みや血尿などの症状が出てきます。また、嚢胞が腎臓内の腎盂(じんう)とよばれる組織の近くにできると、水腎症を引き起こすことがあります。滅多にありませんが、腎臓の悪性腫瘍(がん)が嚢胞にできることもあります。
3.診断・治療・予防
◆診断
症状が無いことが多いため、他の病気で 腹部のCTスキャンや超音波検査などの画像診断を行った時に偶然発見されることが多いです。
悪性腫瘍(ガン)が疑われる場合は、CTスキャン、MRI検査、超音波検査、血管造影などの画像検査で嚢胞の状態をより詳しく確認したり、背中から細い針を刺して嚢胞の組織を一部採取して調べたりします(細胞診)。
【関連項目】
◆治療
嚢胞が良性で症状がなければ、治療を行わずに経過を観察します。
腎臓圧迫にともなう痛みなどの症状が出ている場合は、背中から細い針を刺す経皮的穿刺によって嚢胞内の液体を抜いて、代わりに薬物を注入して固定する方法がとられます。
こうした治療法ではあまり効果がなかったり、嚢胞がガン化している場合は、手術によって嚢胞を切除します。
4.単純性腎嚢胞データ
【受診科】
- 腎臓内科、泌尿器科
【単純性腎嚢胞が原因で起こる病気(合併症)】
- 水腎症、高血圧など