腰椎分離症・すべり症で腰が痛むケース

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『腰椎分離症・すべり症』の詳細 - 症状・原因・治療法

腰痛を引き起こす可能性のある病気や障害の一つに「腰椎分離症(ようついぶんりしょう)・分離すべり症」があります。これらの障害と腰の痛みの関連について解説します。

<目 次>

  1. 主な症状
  2. 原因や特徴
  3. 診断・治療・予防

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1.腰椎分離症・すべり症が疑われる症状

腰の痛みのほかに、以下の様な症状・特徴が見られる場合、腰椎分離症・すべり症が発症している可能性があります。

腰を後ろに曲げると痛む


  • 腰の鈍い痛み、腰の疲れ・だるさ・重苦しさなどを感じる
  • 腰を後ろに反らせると痛みが強まる
  • 長時間立ち続けたり、激しいスポーツや重労働をすると痛みが強まる
  • 腰の真ん中あたりの骨を押すと痛む

朝起きた時や何かの動作を始めた時に、「何となく腰が疲れる」、「腰が重苦しい感じがする」といった腰の違和感や鈍い痛みを感じます。

腰を前後に何度も曲げたり、激しい労働や運動をしたり、長時間立ちっぱなしや同じ姿勢を続けたりと、腰に負担をかける行為をした後に腰の痛みが強くなります。また、背筋を伸ばしたり胸を張るなど、腰を後ろにそらす姿勢をとった時にも痛みが増します。

そのほか、腰痛は腰の左右どちらか一方で起こることが多く、腰骨の中央あたりを押すと痛むのも特徴的な症状です。

◆こんな症状が見られることも


  • お尻や足の外側に沿ってしびれを感じる(坐骨神経痛)
  • お尻の筋肉が痛む
  • 背骨が前に曲がって姿勢が悪くなったり、背中に階段状のくぼみが見られる(腰椎分離すべり症)

◆重症時

この病気を放っておくと、骨の変形による影響で、腰椎椎間板ヘルニア腰部脊柱管狭窄症などの病気も発症し、「足の痛みやしびれ」、「足のもつれ、脱力感、筋力低下」、「痛みやしびれで一度に長く歩けない(間欠性跛行)」などの症状が現れることがあります。

特に中年以上で腰椎分離すべり症を発症した場合、椎骨の前方へのすべりの他、老化による骨の変形も加わることで神経の通り道「脊柱管」が狭くなりやすいため、腰部脊柱管狭窄症を合併しやすくなります。


2.腰椎分離症・すべり症とは? - 特徴や原因

腰椎の構造
腰椎・椎骨・椎弓のしくみ

腰椎(腰部の背骨)は、「椎骨」という固い骨と、「椎間板」という軟らかい組織が積み重なってできていて、椎骨の背中側には「椎弓」と呼ばれる突き出した部分があり、「椎間関節」という関節で上下につながって椎骨を支えています。

激しい運動などで腰椎に負荷がかかると、椎間関節にヒビが入ったり、骨折して前後に離れてしまうことがあります。この状態を腰椎分離症といいます。また、関節が分離したことで椎骨が前の方にズレてしまった状態を腰椎分離すべり症といいます。

腰椎分離症の状態を放置しておくと、10〜20%の割合で分離すべり症に進んでしまうといわれます。骨折が椎弓の片側だけならあまり問題はありませんが、両側に起こるとすべりやすくなります。

分離症とすべり症は同時に起こることも多く、症状の特徴もほとんど同じです。

腰椎分離症・すべり症の原因
「椎骨を支える椎間関節の疲労骨折」

腰椎分離症と分離すべり症
イラスト図解:腰椎分離症・すべり症

腰椎と神経
脊柱管・馬尾神経の図解



◆なぜ痛みが起こる?

椎間関節が骨折して椎骨を連結する力が弱まると、腰の骨が不安定になります。その結果、椎骨や椎間板だけでなく、腰椎を支える筋肉や靭帯にも大きな負荷がかかるようになり、こうした組織が疲弊したり傷んだりすることで鈍い腰痛が生じます。

腰椎分離すべり症でずれた椎骨が、坐骨神経につながる神経根を圧迫すると、お尻や足の外側にそってしびれや痛みが生じることもあります(坐骨神経痛)。坐骨神経痛が見られる場合は、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症を併発している可能性もあります。

◆こんな人に起こりやすい

スポーツをする少年少女

激しい運動によって起こることが多く、20歳以下の成長期の若者、特に10〜14歳の子どもに多く見られる障害です。
これは骨や筋肉がまだ成長過程でしっかり出来上がっておらず、運動のしすぎによって疲労骨折しやすいためです。体操、バレエ、野球、バドミントン、テニス、バレーボールなど、背中を瞬間的に大きく反る動きが多いスポーツでは、腰椎に過剰な負荷がかかるため発症しやすくなります。

スポーツを日常的に行っている成長期の子どもに起こる腰痛の大半は、腰椎分離症・すべり症が原因であるとされています。

大人で発症しやすいのは、子供の頃や学生時代に激しい運動をした経験がある人です。少年期に腰椎分離症を発症したものの症状がないため気づかず、成長後に腰の疲労や捻挫が引き金になって痛み始めます。また、生まれつき椎間関節が弱い人も発症しやすくなります。

◆その他のケース

老人性の腰椎分離症・分離すべり症

30代以降の中高年に起こる腰椎分離症・すべり症は、若者のケースとは原因や症状が異なります。
10代の場合は組織が成長過程であるために弱く傷つきやすいのに対し、中高年の場合は組織の老化・劣化が主な原因になります。

歳をとるにつれて軟らかかった椎間板は硬くなり、椎間関節も次第にすり減り、周辺の筋肉や靭帯にも張りがなくなって硬くなります。その結果、腰椎を支える力がだんだん衰えて、荷重や衝撃を支えきれなくなり疲労骨折を起こします。若い頃に痛みのない軽めの状態で発症して、 中年を過ぎた頃に痛み始める場合もあります。

基本的な症状は若年性のものと同じですが、長く慢性的に進むのが特徴です。最初は仕事や家事で疲れがたまると鈍い痛みを感じる程度ですが、重くなったり軽くなったりを繰り返しながら、腰やお尻の筋肉がしつこく痛むようになります

骨折をともなわない「腰椎変性すべり症」

腰椎分離すべり症は、関節が骨折・分離することで椎骨が前方にすべりますが、分離していないのにすべりが生じるものを腰椎変性すべり症といいます。

加齢によって椎間関節や椎間板が変形し、椎骨を連結する働きが弱くなるために起こります。40歳以上の中年女性に圧倒的に多くみられるため、女性ホルモンとも関係があると考えられているほか、椎間関節が生まれつき弱い人にも発症しやすくなります。症状や治療法は腰椎分離すべり症と同様です。

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3.診断・治療・予防

◆診断

すべり症のレントゲン画像
腰椎分離すべり症のX線画像

基本はX線撮影(レントゲン)による画像検査です。
腰を曲げたり伸ばしたりした状態で腰椎を詳細に撮影し、椎骨が骨折しているか、前方にすべり出ているかを調べます。椎間板や神経の状態を含めてより詳しく調べる場合は、MRI検査やCTスキャンも行われます。

◆治療

腰用コルセット
腰を保護する装具・コルセット

症状が軽い場合は、一般的な腰痛と同じ治療を行います。
回復の早い成長期の場合、骨折したばかりの早い段階なら運動を休んでコルセットで腰を固定しておけば骨がくっついて治り、腰椎分離症にはならずにすみます。

完治するまでの3、4ヶ月はコルセットをして運動を控えてしっかり治すことが大事です。腰椎分離症になってしまった場合でも、完治すれば問題なく運動できるようになりますので心配ありません。

「骨折から時間が経ってひび割れが広がっている」、「分離箇所が多い」、「中高年者で回復が遅い」といった場合でも基本的な対応は同じです。
腰に負担がかかる動作や運動を避け、腰をコルセットで固定して安静にします。痛みがつらい時は痛み止めの薬を服用したり神経ブロックの注射で対応します。治るのに時間はかかっても、こうした治療法で大抵は良くなるため、手術が適応される症例はそれほど多くはありません。ただし、骨折箇所が多いと将来分離すべり症が発症することもあります。


こんな場合は手術も検討

手術が必要になるのは、主に神経が障害されているケースです。

  • 骨折でズレた椎骨が神経を圧迫している
  • 手術以外の腰痛治療を行っても症状が改善されない
  • 強い痛みや歩行障害などで日常生活に支障をきたしている

<主な手術法>

神経の圧迫がある場合、狭くなった脊柱管を広げて圧迫を緩める「除圧固定術」を行います。
すべりの程度が大きく、除圧固定術では十分な効果が見込めない場合は、ずれた椎骨をネジや人工骨で固定する「脊椎固定術」などが行われます。

◆日常生活における対策・予防法

子供がスポーツをしていて、「なんとなく腰が疲れる」、「練習中に腰の痛みが気になる」など、腰の違和感を訴えたら、それくらい大丈夫だろうと軽く考えず、できるだけ早く整形外科を受診しましょう。痛みを我慢して練習を続けると骨折をこじらせてしまいます。

腰痛分離症は早めの処置が肝心です。早いうちなら腰にコルセットをしっかりつけて、運動を休めば治ります。完治した後はいくらでも運動ができるようになるので、少しの間だけ我慢させてください。また、運動の指導者にもしっかり説明して理解してもらう必要があります。
ただ、治療せずに見逃したとても、大事に至ることは滅多にありません。

腰痛分離症は痛みなどの症状が出ないケースも多く見られます。成人〜50代で、健康診断などで腰痛分離症が見つかった場合でも、日常生活や運動時に痛みなどの症状がなければ治療の必要はありません。普通に生活していて大丈夫です。


4.腰椎分離症・すべり症データ

【受診科】

  • 整形外科

【腰椎分離症・すべり症が原因で起こる病気(合併症)】

  • 腰椎椎間板ヘルニア 腰部脊柱管狭窄症
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背骨前面
背骨(脊柱)画像(前後)

背骨側面
背骨(脊柱)の弯曲(横)
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