水腎症で腰が痛むケース

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『水腎症』の詳細 - 症状・原因・治療法

腰痛を引き起こす可能性のある病気や障害の一つに「水腎症(すいじんしょう)」があります。
ここでは、その特徴や腰痛との関連について解説します。

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1.水腎症が疑われる症状

腰の痛みのほかに、以下の様な症状・特徴が見られる場合、水腎症が発症している可能性があります。


  • 腰、わき腹、下腹部(みぞおち)の痛み

左右の腎臓のどちらかで水腎症が発症した場合、起きた方の背中やわき腹から腰、下腹部にかけて強い痛みが続きます。
症状がゆっくりと進行する慢性型の場合は、目立った症状が現れなかったり、わき腹〜腰に鈍い痛みや違和感、不快感を感じたりします。

また、尿路の感染症が起きて腎盂腎炎を併発した場合には高熱も生じます。


2.水腎症とは? - 特徴や原因

腎臓とその周辺臓器

腎臓でできた尿は、腎臓〜尿管〜膀胱(ぼうこう)〜尿道の順に流れて体外に排出されます。この一連の通路のことを「尿路」といいます。
「尿路」が狭くなったり詰まったりして流れが悪くなった結果、尿が腎臓の内部にたまり、腎盂(じんう)と腎杯(じんぱい)が尿でいっぱいになって広がった状態を水腎症といいます。
たまった尿によって内側から圧迫されると、腎臓は萎縮(細胞数が減ること)してしまい、機能が低下します。

腎臓と膀胱の間で尿の流れが悪くなると、片方の腎臓が水腎症となり、膀胱から尿道の間なら両方の腎臓が水腎症になります。
左右どちらかの腎臓に起こることが多いですが、両方の腎臓に起こると尿が完全に出なくなり、腎機能が著しく低下して急性腎不全となってしまいます。


◆尿路がふさがる原因

先天性(生まれつき)と後天性の大きく二つに分かれます。

先天性のものは大半が子どもに見られ、生まれつき尿管が狭かったり、形や機能の異常があることが原因になります。尿の流れを妨げる可能性のある先天性の障害には、尿管瘤、尿管異所開口、尿管開口異常、尿道弁、尿道狭窄、真性包茎などがあります。

大人では病気や障害によって起こる後天性が多くなります。
尿路の流れを悪くする病気には、腎結石・尿管結石などの尿路結石、腎盂がん・尿管がん・膀胱がん・などの尿路のがん、尿路の炎症、前立腺がん、子宮がん前立腺肥大症単純性腎嚢胞などがあります。
ほかにも直腸がんの広がりや、手術の合併症を原因として起こることもあります。女性の場合は妊娠中に子宮が大きくなって尿管が圧迫されて発症することもあります。この場合は、出産すると水腎症もなくなります。

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3.診断・治療・予防

◆診断

腹部の超音波検査(エコー検査)で簡単に分かります。
更に病気の程度や発生箇所を調べるための検査を行います。
血液検査や尿検査では、腎機能の低下の度合いや感染症の有無が分かります。
CTスキャン、静脈性腎盂撮影、尿路造影、腎シンチグラフィなどの画像検査では、障害がどこで発生していて、腎盂がどのくらい広がっているかなどを調べます。

◆治療

病気の程度や原因によって治療法は違ってきます。

先天性(生まれつき)の障害が原因であれば、手術による治療が基本になります。患者の年齢や障害の程度を考慮して手術を行うかを決めます。

後天性の場合は、原因となっている病気の治療が基本です。
尿路の流れを悪くしている要因を取り除き、尿が正常に流れるようにして腎機能を回復させます。腎臓の萎縮が進んで組織が薄くなっていると、尿路の流れを元に戻しても機能回復が望めないこともあります。こうした場合は、もう一つの腎臓が十分に機能していることを前提に、腎臓の摘出手術を行います。


4.水腎症データ

【受診科】

【水腎症の原因となる病気】

【水腎症が原因で起こる病気(合併症)】

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腎臓の内部構造

男性の尿路

女性の尿路
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