体力をつけ、肥満やストレスを解消する運動

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心と体の健康に役立つ「全身運動(有酸素運動)」

ウォーキングや自転車など、大きな力を必要とせず、比較的ゆっくりとした動作で全身を動かす運動を有酸素運動といいます。
体の負担が比較的小さいため長時間続けやすく、腰痛解消に役立つ多くの健康効果が得られる運動法です。

<目 次>

  1. 全身運動の効果と運動時のポイント・注意点
  2. 全身運動① 「散歩・ウォーキング」
  3. 全身運動② 「ジョギング・ランニング」
  4. 全身運動③ 「サイクリング(自転車こぎ)」
  5. 全身運動④ 「水中ウォーキング・水泳」

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◆全身運動の効果とポイント

得られる主な効果

運動を行う際のポイント・注意点

運動全般の注意点については「運動を行う際のポイント・注意点」を参照してください。

全身運動① 「散歩・ウォーキング」

全身運動のうち、腰痛持ちの人に特にオススメなのが「ウォーキング」です。
ウォーキングはほかの全身運動に比べて腰の負担が軽く、それでいて骨、筋肉、関節などの組織を強化する効果も十分にあります。そのほか、「時間や場所を選ばず手軽にできる」、「一人でも複数人でも楽しめる」、「歩く距離も自由」、「お金もほとんどかからない」など、とても利点の多い運動です。

◆気軽に散歩から始めよう

ウォーキングといっても、ただ外に出て散歩するだけでも良いので簡単です。近所を散策したり、ちょっと長めにウォーキングしたり、出かけたついでに周辺をちょっと歩いてみたりと色々なやり方があります。
1人で気楽に行うもよし、夫婦や仲の良い友人たちとでもよいでしょう。景色を眺めたり、おしゃべりしながら歩ければより楽しくなります。
最初は無理せず歩ける時間と距離で行い、慣れてきたら徐々に長くしていきます。最終的には毎日20〜30分続けられるようになるとよいでしょう。

散歩の効用は、運動やストレス発散、気分転換になるだけではありません。外の空気を吸って、太陽の光や風を感じ、眼や耳から外界の色々な刺激が入ってくることです。それによって、脳の下行性疼痛抑制系が刺激されると、痛みをブロックする機能が高まります。また、リズミカルに歩くことでセロトニンという神経伝達物質の分泌を促し、うつの回復・予防効果もあります。

◆より効果を高めるためのポイント

ウォーキング時の理想的な姿勢


  1. 「運動」であることを意識して歩く
    ただ漫然と歩くより、やや急ぎ足で、少し息がはずんで汗ばむぐらいの速さで歩くのが理想的です。あごをひいて胸を張り、腕を大きく振りながら歩きましょう。また、歩くときの姿勢を意識することも大切です。良くない姿勢で歩いていると、かえって腰痛を悪化させてしまうこともあります

  2. 継続して習慣化する
    歩く時間は一日合計20〜30分程度、1週間に3日以上行うことを目標にしましょう

  3. ウォーキングに適した靴をはく
    ウォーキングシューズやスニーカーなど運動用の靴を準備しましょう。 靴底が厚く柔らかいものはクッション性が高く、腰やひざへの衝撃を和らげます。また、キツすぎず緩すぎず自分の足のサイズに合ったものを使いましょう

  4. 動きやすい服装で
    重い服や体をしめつける窮屈な服は避け、軽くゆったりとした服で歩きましょう。汗をよく吸収し、乾きの早い素材を使ったものがお勧めです。高齢者は杖や手押し車を活用するのも良いでしょう。

◆注意事項


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全身運動② 「ジョギング・ランニング」

ウォーキングでは物足りないという人は、軽く走ることで運動効果をより高めることができます。
運動効果が高い反面、腰への負荷や運動後の疲労も大きくなりますので、普段から運動する習慣のある人や、長期間ウォーキングを続けて体が丈夫になり、体力もついて腰痛もだいぶ良くなってきた人のみ行ってください。
腰痛の治療ではなく、予防目的で行うものと考えましょう。

◆注意事項



全身運動③ 「サイクリング・自転車漕ぎ」

ウォーキングと同様に腰の負担が比較的軽く、手軽に行える運動です。
自転車を利用することで行動範囲が広がり、長時間でも楽しみながら運動できるほか、室内で自転車こぎができる「エアロバイク」などのマシンを利用すると、天候が悪くても運動できるといったメリットがあります。
体力や心肺機能を向上させる効果も十分であり、同時に太ももやふくらはぎの筋肉を鍛えることもでき、下半身の筋力トレーニングとしても有効です。

前傾姿勢で運動ができるため、脊柱管狭窄症などの"腰を後ろに反らせると痛みが起こる腰痛"の患者にオススメです。

◆注意事項



全身運動④ 「水中ウォーキング・水泳」

水中での運動は、浮力によってひざや足腰への負担が軽くなるため、運動が苦手な人や肥満の人、関節に不安がある人でも比較的安心して行えます。運動量も相当なもので、水泳ならジョギングと同等以上の運動効果が得られます。

水中運動のなかでも、腰やひざに痛みを抱える人にお勧めなのが、水中を歩く「水中ウォーキング」です。特別な技術も必要なく、誰でも手軽に行えます。

◆水中運動のメリット


  1. 水の抵抗があるため運動効率が高い
    水中での水の抵抗は、陸上の空気抵抗の数十倍です。ゆっくり動いても脂肪が燃焼され、筋肉に刺激が与えられます。全身の筋肉をバランスよく鍛えることができ、"筋力アップ"と"リラックス"という2つの効果で腰痛を改善します。消費されるエネルギーが多いため肥満解消効果も高いです。

  2. 心肺機能を高める
    体全体が常に水圧を受けるため、陸上で運動するときよりも呼吸量が多くなり心肺機能が鍛えられます。

  3. 水の浮力
    浮力によって腰をはじめ全身にかかる負荷が減るため、色々な運動がしやすくなります。また、陸上と違って転んでケガをするような危険性が少なく安全に行えます。

  4. 水温
    水中のほどよい冷たさで血管が収縮し、体温低下を防ぐために熱が生産されます。その結果、血行がよくなり、新陳代謝も改善されます。

◆ポイント・注意点



関連項目

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