化膿性脊椎炎(脊髄炎)で腰が痛むケース

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『化膿性脊椎炎』の詳細 - 症状・原因・治療法

腰痛を引き起こす可能性のある病気や障害の一つに「化膿性脊椎炎(かのうせいせきついえん)」があります。
ここでは、その特徴や腰痛との関連について解説します。

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1.化膿性脊椎炎が疑われる症状

腰の痛みのほかに、以下の様な症状・特徴が見られる場合、化膿性脊椎炎が発症している可能性があります。


  • 腰や背中に"急で激しい痛み"がある
    →患部をたたくと非常に痛む
  • 安静にしていても痛む
  • 寒けや発熱など風邪のような症状がある

背中から腰にかけて"突然の激痛"が起こり、熱が出ることもあります。
患部をたたくと非常に痛み、時間の経過とともに次第に痛みが激しくなることもあります。
腰を動かさなくても痛みがおさまらず、ひどい場合は痛みで夜に目が覚めたり、背中を前後に曲げられなくなったりします。


症状が似ている病気


2.化膿性脊椎炎とは? - 特徴や原因

脊椎(背骨)に細菌が侵入して炎症を起こし、膿(うみ)がたまる(化膿する)病気が化膿性脊椎炎です。
骨髄が侵されている場合は、化膿性骨髄炎と呼ぶこともあります。

※「骨髄(こつずい)」:骨の中心にある血液細胞を作る組織


脊椎が細菌感染する経路にはいくつかあります。

化膿性脊椎炎の原因
「脊椎の細菌感染による化膿性炎症」



◆こんな時、こんな人は要注意

化膿性脊椎炎は、免疫力(抵抗力)が低下している時に起こりやすくなります。

悪性腫瘍(ガン)、糖尿病、肺炎、膠原病、肝硬変、骨髄疾患など、全身性の病気にかかっていると免疫力が大きく低下します。
病気以外で免疫力を低下させる要因は、「高齢」、「過労状態」、「ストレス」などです。
歳をとるほど免疫力が弱まるため中高年者に生じやすいほか、仕事続きで疲れていたり、不安やストレスが溜まっていたり、睡眠不足だったり、栄養バランスが悪かったりと、不規則で不健康な生活を続けている人も発症リスクが高まります。
こうした要因が重なるほど抵抗力がより低下し、色々な病気を発症しやすくなります。

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3.診断・治療・予防

◆診断

病巣のMRI画像

痛みの特徴から細菌感染が疑われる場合、病状を詳しく調べるための検査を行います。
血液検査で、白血球数や特定のタンパク質の濃度などを調べます。また、X線検査(レントゲン)、MRI検査、CTスキャン、骨シンチグラフィなどの画像検査によって脊椎の破壊の状態を調べます。化膿した病巣から組織を採取して細菌の種類を調べる「生検」を行うこともあります。

◆治療

治療の基本は、抗生物質の点滴を行いながら安静を保つことです。
他にも、体外から針を刺して病巣をかき出す方法や、高気圧酸素療法なども行われます。
高気圧酸素療法とは、専用の装置の中で気圧の数倍の圧力をかけて純酸素を呼吸させる治療法です。酸素量を増やすことで殺菌効果と白血球の働きを高めることができます。

こうした保存的療法で効果がない時は手術を行います。
膿んだ病巣を取り除いたあとに患部を洗浄して細菌を完全に除去します。骨の破壊が進行している場合は、骨固定術や骨移植も行われます。

4.化膿性脊椎炎データ

【受診科】

【化膿性脊椎炎の原因となる病気】

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脊椎・腰椎の構造


背骨前面


背骨側面
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