症状から腰痛の原因を探る - 「頻尿、失禁、血尿、血便、便秘、下痢など」

排尿や排便に関する異常・不快感を生じる病気・障害
腰痛を引き起こす病気や障害の中には、以下のような「膀胱や直腸の障害による症状」を伴うものがあります。自分の症例に当てはまるものを探して原因を探ってみましょう。
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現れる症状や程度には個人差がありますので、あくまで参考とするに留めてください。
<目 次>
1.尿の異常がみられる病気・障害
◆(腰椎)椎間板ヘルニア
椎間板が押しつぶされ、中にあるゼリー状の物質(髄核)が外に飛び出した状態
- 腰の急な激痛(急性型)。またはしつこく続く鈍い腰痛(慢性型)
- 下半身の痛みやしびれ(坐骨神経痛)
- 前かがみになると痛みやしびれが強まる
- 「尿がでにくい、尿がもれる、回数が増える(頻尿)、ひどい便秘、会陰部に異常な感覚が出る」といった膀胱・直腸の障害(重症時)
- 20〜50歳代の男性、特に働き盛りの20〜30代に多い。10代の若者や60代以降の高齢者は少ない
- 腰を使い続けたり、一度に大きな負荷をかけたり、歳をとるなどして椎間板が老化する
◆(腰部)脊柱管狭窄症
背骨の内側の神経の通り道「脊柱管」が狭くなり、神経が圧迫される障害
- 足の痛みやしびれ
- 一度に長い距離を歩けない(間欠跛行)
- 腰を後ろに反らすと痛みやしびれが増し、前かがみになると楽になる
- 50歳以上の高齢者、若いころから腰痛持ちの人、腰のケガや病気を繰り返している人などによく見られる
- 尿がでにくい、尿がもれる(失禁)、回数が増える(頻尿)、便秘
- 加齢・病気・ケガなどによって腰椎の骨や靭帯が変形し脊柱管が狭まる
◆脊椎カリエス(結核性脊椎炎)
結核の原因となる結核菌が脊椎に感染して炎症を起こす病気
- 腰や背中の中心に鈍い痛みやコリがあり、患部を押したり叩いた時にも痛む
- 体がだるく疲れやすい、食欲がなく体重が減る
- 排尿障害(尿がでにくい、尿がもれる(失禁)、おしっこの回数が増える(頻尿)等)
- 結核菌の感染(周囲の結核患者や過去に感染した結核の残存菌から感染)
◆脊髄腫瘍・脊椎腫瘍
脊髄(中枢神経)や脊椎(背骨)にできる、良性または悪性の腫瘍
- 腰や背中に鈍い痛みがしつこく長く続く。突然激しく痛むケースも
- 動かず安静にしていても痛み、患部を押したり叩いた時にも痛む
- 尿が出にくい、尿がもれる(失禁)、おしっこの回数が増える(頻尿)、便秘など
- 悪性腫瘍(がん)の場合、他の臓器からの転移がほとんど。
◆膵炎(すいえん)
膵臓から分泌される消化酵素によって膵臓自体が消化されて炎症を起こす病気
- みぞおちから左わき腹にかけての急な激痛。左肩や左背中まで響くことが多く、時には胸や腰にまで及ぶ。
痛みは食事をすると強まり、絶食すると軽くなる。また前かがみになると和らぐ傾向がある
- お腹の張りやしこり、発熱、胸焼け、吐き気、下痢、黄疸など
- アルコールや胆石が原因のものが全体の約2/3を占める。体調が悪い時のお酒や脂肪の多い食事のとりすぎがきっかけで起こる
◆膵臓(すいぞう)がん
膵臓にできる悪性腫瘍
- みぞおちから左わき腹にかけての痛み
- 高齢者ほど多く発症する
- 背中や腰の痛み、吐き気・嘔吐、下痢・便秘、黄疸
- 詳しい原因は不明。飲酒・喫煙の習慣、肉(脂肪)の食べ過ぎ、慢性膵炎、胆石症、糖尿病などが危険因子と考えられる
◆胆嚢炎(たんのうえん)
胆嚢が細菌に感染して炎症を起こした状態
- 食事後の"みぞおち"から右わき腹にかけての急な激痛。痛みは右肩や右背中まで響くことが多く、時には胸や腰にまで及ぶ
- 38℃以上の高熱、濃い茶色の尿(黄疸)
- 主に胆嚢内に石(胆石)ができて細菌が増殖して起こる。石は、食べ過ぎ、脂肪の摂り過ぎ、肥満、ストレス、不摂生、体質などが原因でできることが多い
◆胆石症(たんせきしょう)
胆のうや胆管内に石(胆石)ができる病気
- 食事後の"みぞおち"から右わき腹にかけての急な激痛。痛みは右肩や右背中まで響くことが多く、時には胸や腰にまで及ぶ
- お腹の張り、発熱、吐き気、疲れやだるさ、濃い茶色の尿(黄疸)、白い便など
- 食べ過ぎ、脂肪の摂り過ぎ、肥満、ストレス、不摂生、体質などが原因でできる事が多い
◆尿路結石(腎結石・尿管結石・膀胱結石・尿道結石)
尿の通り道に石(結石)ができる病気
- 背中からわき腹にかけての激しい痛み(鈍い痛みだけのこともある)
- 冷や汗、吐き気、嘔吐
- 尿の異常(血尿が出る、尿の回数が増える、排尿時の痛み、尿が出にくい、残尿感など)
- 男性の発症率が高く、30〜50歳代に多い
- 尿路の異常などで尿の流れが悪くなったり、水分不足などで尿のカルシウムの濃度が高まると石ができやすくなる
◆腎盂腎炎(じんうじんえん)
腎臓が細菌に感染して炎症を起こした状態
- わき腹や腰の鈍い痛み
- おしっこの回数が増えたり(頻尿)、排尿痛や残尿感がある
- 高熱、悪寒、ふるえ、だるさなど、かぜによく似た症状がでる
- 膀胱内の尿が腎臓に逆流して細菌感染する(膀胱炎、尿道の結石、前立腺肥大、尿道狭窄などの病気で逆流しやすい)
◆腎梗塞(じんこうそく)
腎臓の動脈がふさがって血液が流れなくなり、腎臓の一部または全部が壊死してしまう病気
- 腰から背中にかけての痛み
- 血尿が出たり、尿の量が減る
- 心臓の病気や不整脈によってできた血栓(血の塊)が腎動脈につまる。動脈硬化も危険因子
◆単純性腎嚢胞
腎臓に1個〜数個の嚢胞(のうほう)と呼ばれる液体の入った袋ができる病気
- 腰やわき腹の痛み、高血圧、血尿
- 歳をとるほどできやすくなり、50歳以上の約半数に見られる
- 嚢胞ができる原因は不明
◆腎静脈血栓症
腎臓の静脈に血の塊(血栓)ができて血液の流れが悪くなったり血管が詰まってしまう病気
- 尿の異常(尿の量が少ない、全く出ない、血尿やたんぱく尿など)
- 腰や背中の痛み、発熱
- 血液が固まりやすくなる「ネフローゼ症候群」、血液の病気、病気による血管の障害、動脈硬化など
◆腎下垂(遊走腎)
腎臓が本来あるべき場所よりも下に移動してしまっている状態
- 腰やわき腹の鈍い痛み(横になると和らぐ)
- 胃のむかつき、食欲不振、吐き気
- 尿の異常(血尿やたんぱく尿がでる、尿があまり出ない、出にくい)
- 腎臓の周りの脂肪が少ない、腎臓につながる尿管や血管が生まれつき異常に長い、腹筋・背筋が弱い(やせた女性に多く見られる)など
女性特有の病気
◆子宮内膜症
子宮の内側にできる膜「子宮内膜」が、子宮以外の場所にもできる病気
- とても強い月経痛(生理痛)、激しい腹痛と腰痛
- 30〜40歳代の女性に多くみられる
- 月経時の出血が増える(過多月経)、月経期間が長くなる、茶色のおりものが出る、性交時や排尿・排便時の痛み、尿が出にくい、便秘
- 詳しい原因は不明。月経時に子宮内膜の組織が混じった血が逆流するためと考えられる
◆子宮筋腫・子宮ポリープ
子宮内部にできる良性の腫瘍
- 生理期間外の性器からの出血(不正出血)
- 生理時の出血量が異常に多い(過多月経)
- 貧血 ・おりものが増える
- 30〜40歳代の女性に多い
- 詳しい原因は不明。女性ホルモン「エストロゲン」が関係しているとみられる
◆子宮がん(子宮頸がん・子宮体がん)
子宮にできる悪性腫瘍(がん)
- 月経期間外の性器からの出血(不正出血)
- おりものの異常(量が増える、臭う、血が混じるなど)
- セックス中の性器からの出血 ・貧血
- 腹痛、腰痛、足の痛み、発熱、おしっこの回数が増える、尿が出にくい
- 子宮頸がんはウイルス感染によるものが多く、子宮体がんは女性ホルモン「エストロゲン」が長期間分泌されると発症しやすい
2.便の異常がみられる病気・障害
◆(腰椎)椎間板ヘルニア
椎間板が押しつぶされ、中にあるゼリー状の物質(髄核)が外に飛び出した状態
- 腰の急な激痛(急性型)。またはしつこく続く鈍い腰痛(慢性型)
- 下半身の痛みやしびれ(坐骨神経痛)
- 前かがみになると痛みやしびれが強まる
- 「尿がでにくい、尿がもれる、回数が増える(頻尿)、ひどい便秘、会陰部に異常な感覚が出る」といった膀胱・直腸の障害(重症時)
- 20〜50歳代の男性、特に働き盛りの20〜30代に多い。10代の若者や60代以降の高齢者は少ない
- 腰を使い続けたり、一度に大きな負荷をかけたり、歳をとるなどして椎間板が老化する
◆(腰部)脊柱管狭窄症
背骨の内側の神経の通り道「脊柱管」が狭くなり、神経が圧迫される障害
- 足の痛みやしびれ
- 一度に長い距離を歩けない(間欠跛行)
- 腰を後ろに反らすと痛みやしびれが増し、前かがみになると楽になる
- 50歳以上の高齢者、若いころから腰痛持ちの人、腰のケガや病気を繰り返している人などによく見られる
- 尿がでにくい、尿がもれる(失禁)、回数が増える(頻尿)、便秘
- 加齢・病気・ケガなどによって腰椎の骨や靭帯が変形し脊柱管が狭まる
◆脊椎カリエス(結核性脊椎炎)
結核の原因となる結核菌が脊椎に感染して炎症を起こす病気
- 腰や背中の中心に鈍い痛みやコリがあり、患部を押したり叩いた時にも痛む
- 体がだるく疲れやすい、食欲がなく体重が減る
- 排尿障害(尿がでにくい、尿がもれる(失禁)、おしっこの回数が増える(頻尿)等)
- 結核菌の感染(周囲の結核患者や過去に感染した結核の残存菌から感染)
◆脊髄腫瘍・脊椎腫瘍
脊髄(中枢神経)や脊椎(背骨)にできる、良性または悪性の腫瘍
- 腰や背中に鈍い痛みがしつこく長く続く。突然激しく痛むケースも
- 動かず安静にしていても痛み、患部を押したり叩いた時にも痛む
- 尿が出にくい、尿がもれる(失禁)、おしっこの回数が増える(頻尿)、便秘など
- 悪性腫瘍(がん)の場合、他の臓器からの転移がほとんど。
◆胃潰瘍(いかいよう)・十二指腸潰瘍
胃や十二指腸の粘膜が溶けてえぐられたような状態(潰瘍)になる病気
- 空腹時や食後の腹痛(食事中は痛みが軽くなる)
- 背中から腰にかけての痛み(体の左側が傷みやすい)
- 胸焼け、ゲップ、吐き気や嘔吐、食欲不振、貧血、吐血、黒い便
- ピロリ菌感染によるものが多い。精神的ストレス、胃液の過剰分泌、ステロイド剤や抗がん剤などの薬物も要因
◆胃がん
胃に発生する悪性腫瘍
- 空腹時や食後の腹痛(みぞおちあたりが鈍く痛む)。悪化すると食事に関係なく痛む
- お腹の張り、胃もたれ、胸焼け、ゲップ、吐き気
- 50〜60歳代が患者の約60%を占め、高齢者ほど発症しやすい。
- 胸、背中、腰の痛み
- 食欲不振、だるさ、下痢、便秘、貧血、吐血、黒い便など
- 不規則な食生活、早食い、食べ過ぎ、「塩分や脂肪分・熱すぎる飲食物・米飯等」の摂り過ぎ、焦げた食物、過度の飲酒・喫煙などが危険因子とされる
◆膵炎(すいえん)
膵臓から分泌される消化酵素によって膵臓自体が消化されて炎症を起こす病気
- みぞおちから左わき腹にかけての急な激痛。左肩や左背中まで響くことが多く、時には胸や腰にまで及ぶ。
痛みは食事をすると強まり、絶食すると軽くなる。また前かがみになると和らぐ傾向がある
- お腹の張りやしこり、発熱、胸焼け、吐き気、下痢、黄疸など
- アルコールや胆石が原因のものが全体の約2/3を占める。体調が悪い時のお酒や脂肪の多い食事のとりすぎがきっかけで起こる
◆膵臓(すいぞう)がん
膵臓にできる悪性腫瘍
- みぞおちから左わき腹にかけての痛み
- 高齢者ほど多く発症する
- 背中や腰の痛み、吐き気・嘔吐、下痢・便秘、黄疸
- 詳しい原因は不明。飲酒・喫煙の習慣、肉(脂肪)の食べ過ぎ、慢性膵炎、胆石症、糖尿病などが危険因子と考えられる
◆胆石症(たんせきしょう)
胆のうや胆管内に石(胆石)ができる病気
- 食事後の"みぞおち"から右わき腹にかけての急な激痛。痛みは右肩や右背中まで響くことが多く、時には胸や腰にまで及ぶ
- お腹の張り、発熱、吐き気、疲れやだるさ、濃い茶色の尿が出る(黄疸)、白い便など
- 食べ過ぎ、脂肪の摂り過ぎ、肥満、ストレス、不摂生、体質などが原因でできる事が多い
◆大腸がん(結腸がん・直腸がん)
大腸に発生する悪性腫瘍
- 血便が出る(肛門からの出血や、血が混じった赤黒い便など)。痔(ぢ)の症状とよく似ている
- 高齢になるほど発症しやすく、特に60〜70代に多い
- 下痢や便秘を繰り返す、便が細くなる、腹痛や腰痛
- 高たんぱく・高脂肪・高カロリーの食事の影響が大きいと考えられる。飲酒、喫煙、肥満、遺伝、ストレス、大腸の病気、乳がん、子宮がん、卵巣がんなども発症率を高める
◆月経痛(生理痛)・月経困難症・月経前症候群
月経時に起こる様々な不快症状
- 頭痛、腹痛(胃痛)、腰痛、肩こり、乳房の張りと痛み
- むくみ、冷え、めまい、のぼせ、貧血、吐き気、嘔吐、便秘、下痢
- イライラ、憂うつ、焦燥感、怒りっぽい、集中力の低下(注意力散慢)、情緒不安定
- 月経(生理)が始まって女性ホルモンの分泌が増えたりホルモンバランスが変化するため。更に疲れやストレスが重なると症状が悪化する
◆子宮内膜症
子宮の内側にできる膜「子宮内膜」が、子宮以外の場所にもできる病気
- とても強い月経痛(生理痛)、激しい腹痛と腰痛
- 30〜40歳代の女性に多くみられる
- 月経時の出血が増える(過多月経)、月経期間が長くなる、茶色のおりものが出る、性交時や排尿・排便時の痛み、尿が出にくい、便秘
- 詳しい原因は不明。月経時に子宮内膜の組織が混じった血が逆流するためと考えられる
◆子宮筋腫・子宮ポリープ
子宮内部にできる良性の腫瘍
- 生理期間外の性器からの出血(不正出血)
- 生理時の出血量が異常に多い(過多月経)
- 貧血 ・おりものが増える
- 30〜40歳代の女性に多い
- 詳しい原因は不明。女性ホルモン「エストロゲン」が関係しているとみられる