症状から腰痛の原因を探る - 「.腰の痛みに特徴がある」

腰に特徴的な痛みを生じる病気・障害
腰痛を引き起こす病気や障害の中には、"痛み方"や"痛みの起こる姿勢・動作"などに特徴が見られるものがあります。
自分の症例に当てはまるものを探して原因を探ってみましょう。
※文中の「病名」を選択すると、詳しい解説ページに移動します。
現れる症状や程度には個人差がありますので、あくまで参考とするに留めてください。
<目 次>
1.突然の激しい痛み
◆ぎっくり腰(急性腰痛症)
- 重いものを持ち上げたり、勢いよく立ち上がったり振り返ったり、ちょっとした動作をした瞬間に突然腰に激しい痛みが走り動けなくなる
→ 動かずに安静にしていれば痛みが和らいでくる
- 腰の筋肉、靭帯、関節などの組織が損傷して起こることが多い。椎間板ヘルニア、骨粗しょう症、脊髄腫瘍、尿路結石などの病気で起こることもある。ストレスが関係しているケースもある
- 腰の疲れがたまっていたり、歳をとって体が老化していると、腰を支える力が弱まっているため、ちょっとした動きでも組織が損傷して発症しやすくなる
◆筋・筋膜性腰痛(筋性腰痛症)
腰まわりの筋肉疲労による痛み(筋肉痛・挫傷・捻挫・肉離れなど)
- 腰あるいは腰から背中にかけての痛み
- 前かがみになった時に腰が痛むことが多い
- 腰の疲れ、張り、コリやだるさ、重苦しさなどの違和感・不快感
◆(腰椎)椎間板ヘルニア
椎間板が押しつぶされ、中にあるゼリー状の物質(髄核)が外に飛び出した状態
- 腰の急な激痛(急性型)。またはしつこく続く鈍い腰痛(慢性型)
- 下半身の痛みやしびれ(坐骨神経痛)
- 前かがみになると痛みやしびれが強まる
- 20〜50歳代の男性、特に働き盛りの20〜30代に多い。10代の若者や60代以降の高齢者は少ない
- 腰に負担をかけ続けたり、歳をとることによる「椎間板の老化」
◆心因性腰痛症
精神的ストレスが原因となって起こる腰痛
- 痛む箇所、痛み方、痛みの大きさが日によって変わる
- 姿勢や動作に関係なく痛む
- 嫌なことを始める前など、ストレスが大きくなる時に痛み始めたり痛みが大きくなる
- 検査をしても骨や筋肉などに異常がないことが多い (原因がはっきりしない腰痛の2/3には、多かれ少なかれ、ストレス、不安、鬱(うつ)などの"心理・社会的要因"が関与しているとされる)
- 一般的な腰痛の治療でも良くならない(鎮痛剤や手術の効果も低い)
- 慢性的な腰痛に多くみられる
- 不安やストレスがたまることで痛みを抑える体の機能が低下したり、神経が痛みに対して敏感になる
◆化膿性脊椎炎
脊椎(背骨)に細菌が侵入して炎症を起こし膿(うみ)がたまる病気。
- 腰や背中の突然の激痛
- 動かず安静にしていても痛み、患部をたたくと非常に痛む
- 寒けがして熱が出ることも
- 病気などで生じた細菌や炎症が血管を通じて広がる
- 疲れ、ストレス、病気などで免疫(抵抗力)が低下していると発症しやすい
2.前かがみになった時に腰が痛む
◆椎間板症
椎間板が押しつぶされたり亀裂が入った状態。病状が進行すると椎間板ヘルニアになる
- 腰に痛みや重さ、だるさを感じる
- 前かがみになった時に特に腰が痛む
- 腰を使い続けたり、一度に大きな負荷をかけたり、歳をとるなどして椎間板が老化する
◆(腰椎)椎間板ヘルニア
椎間板が押しつぶされ、中にあるゼリー状の物質(髄核)が外に飛び出した状態
- 腰の急な激痛(急性型)。またはしつこく続く鈍い腰痛(慢性型)
- 下半身の痛みやしびれ(坐骨神経痛)
- 前かがみになると痛みやしびれが強まる
- 20〜50歳代の男性、特に働き盛りの20〜30代に多い。10代の若者や60代以降の高齢者は少ない
- 腰を使い続けたり、一度に大きな負荷をかけたり、歳をとるなどして椎間板が老化する
◆筋・筋膜性腰痛(筋性腰痛症)
腰まわりの筋肉疲労による痛み(筋肉痛・挫傷・捻挫・肉離れなど)
- 腰あるいは腰から背中にかけての痛み
- 前かがみになった時に腰が痛むことが多い
- 腰の疲れ、張り、コリやだるさ、重苦しさなどの違和感・不快感
3.腰を後ろに反らせた時に腰が痛む
◆(腰部)脊柱管狭窄症
背骨の内側の神経の通り道「脊柱管」が狭くなり、神経が圧迫される障害
- 足の痛みやしびれ
- 一度に長い距離を歩けない(間欠跛行)
- 腰を後ろに反らすと痛みやしびれが増し、前かがみになると楽になる
- 50歳以上の高齢者、若いころから腰痛持ちの人、腰のケガや病気を繰り返している人などによく見られる
- 加齢・病気・ケガなどによって腰椎の骨や靭帯が変形し脊柱管が狭まる
◆腰椎分離症・すべり症
椎骨を支える椎間関節が骨折して分離したり、分離したことで椎骨が前方にずれる障害
- 腰が疲れる、だるい、重い、鈍い痛みを感じる
- 腰を後ろに反らせた時や、長時間立ち続けたり、激しいスポーツや重労働をした時に痛みが強まる
- スポーツをする20歳以下の成長期の若者、特に10〜14歳の子どもに多く見られ、骨折を伴わないケースは40歳以上の中年女性に多い
- 椎間関節の骨折。若者の場合は激しい運動が原因で、中年層の場合は組織の老化が原因で骨折する
◆変形性腰椎症(変形性脊椎症)
腰部の背骨(腰椎)が加齢などで変形するもの
- 腰がだるい、重い、鈍い痛みを感じる
- 腰を後ろに反らせた時や、動作の始まりや疲れた時に痛みが強まる
- 入浴中は症状がとても和らぐ
- 加齢にともなう老化現象であるため、40歳以降の高齢者に多く発症する。特に男性に多い
- 加齢や長年腰を使い続けたことによって骨が変形し、神経などの周辺組織を刺激する
4.腰を動かさず安静にしていても痛む
◆内臓の病気(内科的疾患)
内臓の病気には、どんな姿勢をとっても痛みが楽にならないものが多く見られます。
また、女性の場合、強い月経痛や子宮の病気によって腰痛が起こることもあります。
◆坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)
腰から足先に向かって伸びる坐骨神経が圧迫を受けたり炎症を起こしたりするもの
- 下半身の強い痛みやしびれ(腰から足の裏までの広範囲に発生しうる)
- 動かず安静にしていても痛みやしびれがおさまらない
◆帯状疱疹(たいじょうほうしん)
過去に水ぼうそうを起こしたウイルスが体内で再び活性化するもの
- 下半身に神経痛のようなピリピリとした痛み、時には激しい痛みを感じる
- 痛む箇所に赤い腫れや小さな水ぶくれが"帯状に連なって"できる
- 悪化すると高熱が出ることもある
- 体内に残るウイルスが、加齢や過労などで免疫(抵抗力)が低下した時に再び活性化する
◆化膿性脊椎炎
脊椎(背骨)に細菌が侵入して炎症を起こし膿(うみ)がたまる病気。
- 腰や背中の突然の激痛
- 動かず安静にしていても痛み、患部をたたくと非常に痛む
- 寒けがして熱が出ることも
- 病気などで生じた細菌や炎症が血管を通じて広がる
- 疲れ、ストレス、病気などで免疫(抵抗力)が低下していると発症しやすい
◆脊椎カリエス(結核性脊椎炎)
結核の原因となる結核菌が脊椎に感染して炎症を起こす病気
- 腰や背中の中心に鈍い痛みやコリがあり、患部を押したり叩いた時にも痛む
- 安静時にも痛む
- 体がだるく疲れやすい、食欲がなく体重が減る、熱が出ることも
- 結核菌の感染(周囲の結核患者や過去に感染した結核の残存菌から感染)
◆脊髄腫瘍・脊椎腫瘍
脊髄(中枢神経)や脊椎(背骨)にできる、良性または悪性の腫瘍
- 腰や背中に鈍い痛みがしつこく長く続く。突然の激しい痛みが起こることも
- 動かず安静にしていても痛み、患部を押したり叩いた時にも痛む
- 悪性腫瘍(がん)の場合、他の臓器からの転移がほとんど。
◆変形性股関節症
股関節の骨や軟骨がすり減ったり変形したりして痛みを引き起こす病気
- 股関節、腰、お尻、太もも、ひざなどの痛みや違和感。ひどくなると安静時でも痛む
- 股関節の動きが悪く、曲げ伸ばししづらい。痛みで足を引きって歩く
- 30歳代後半〜50歳代の中年層に多い(特に女性)
- 股関節の病気やケガ。若い頃に股関節の異常や病気を経験し、大人になってから後遺症として発症するケースが多い
5.患部を押したり叩いたりした時も痛む
◆化膿性脊椎炎
脊椎(背骨)に細菌が侵入して炎症を起こし膿(うみ)がたまる病気
- 腰や背中の突然の激痛
- 動かず安静にしていても痛み、患部をたたくと非常に痛む
- 寒けがして熱が出ることも
- 病気などで化膿した部分の細菌が血管を通じて感染する
- 膀胱炎などの泌尿器や生殖器系の病気で生じた炎症が血管を通じて広がる
◆脊椎カリエス(結核性脊椎炎)
結核の原因となる結核菌が脊椎に感染して炎症を起こす病気
- 腰や背中の中心に鈍い痛みやコリがあり、患部を押したり叩いた時にも痛む
- 体がだるく疲れやすい、食欲がなく体重が減る。熱が出ることもある
- 結核菌の感染(周囲の結核患者や過去に感染した結核の残存菌から感染)
◆脊髄腫瘍・脊椎腫瘍
脊髄(中枢神経)や脊椎(背骨)にできる、良性または悪性の腫瘍
- 腰や背中に鈍い痛みがしつこく長く続く。突然激しい痛みが起こることも
- 動かず安静にしていても痛み、患部を押したり叩いた時にも痛む
- 悪性腫瘍(がん)の場合、他の臓器からの転移がほとんど。
6.痛む箇所、痛み方、痛みの大きさが日によって変わる
◆心因性腰痛症
精神的ストレスが原因となって起こる腰痛
- 痛む箇所、痛み方、痛みの大きさが日によって変わる
- 姿勢や動作に関係なく痛む
- 嫌なことを始める前など、ストレスが大きくなる時に痛み始めたり痛みが大きくなる
- 検査をしても骨や筋肉などに異常がないことが多い (原因がはっきりしない腰痛の2/3には、多かれ少なかれ、ストレス、不安、鬱(うつ)などの"心理・社会的要因"が関与しているとされる)
- 一般的な腰痛の治療でも良くならない(鎮痛剤や手術の効果も低い)
- 慢性的な腰痛に多くみられる
- 不安やストレスがたまることで痛みを抑える体の機能が低下したり、神経が痛みに対して敏感になる
7.検査をしても骨や筋肉などに異常がない
◆腰痛症
レントゲンなどの画像をみても腰まわりの組織に異常がなく、明らかな原因を特定できない腰痛の総称
- 腰にしつこく続く"鈍い痛み"がある。腰がこる、だるい、重い、疲れる
- 腰痛があるのに診察を受けても何の異常もみられない
◆坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)
腰から足先に向かって伸びる坐骨神経が圧迫を受けたり炎症を起こしたりするもの
- 下半身の強い痛みやしびれ(腰から足の裏までの広範囲に発生しうる)
- 動かず安静にしていても痛みやしびれがおさまらない
◆心因性腰痛症
精神的ストレスが原因となって起こる腰痛
- 痛む箇所、痛み方、痛みの大きさが日によって変わる
- 姿勢や動作に関係なく痛む
- 嫌なことを始める前など、ストレスが大きくなる時に痛み始めたり痛みが大きくなる
- 検査をしても骨や筋肉などに異常がないことが多い (原因がはっきりしない腰痛の2/3には、多かれ少なかれ、ストレス、不安、鬱(うつ)などの"心理・社会的要因"が関与しているとされる)
- 一般的な腰痛の治療でも良くならない(鎮痛剤や手術の効果も低い)
- 慢性的な腰痛に多くみられる
- 不安やストレスがたまることで痛みを抑える体の機能が低下したり、神経が痛みに対して敏感になる
◆内臓の病気(内科的疾患)
腰まわりの組織に異常がなくても、内臓の病気によって腰痛が現れることがあります